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攻めて守る!闘う遊撃手

12球団総チェック!躍動する「次世代遊撃手」【セ・リーグ編】

 

野手の中では、もっとも高い身体能力を求められるポジションと言っても過言ではない。ここでは3年先、5年先に向け牙を研ぐ若き遊撃手たちを球団別にピックアップしていく。
※成績は7月1日現在

中日・根尾昂 5年後のショートストップを狙う


根尾昂/19歳/177cm80kg/右左


 普通であれば、次世代はまだ視野に入れる必要はない。現在の正遊撃手は2017年の新人王で、3年目の京田陽太。昨季は打撃不振にあえぎ、今季の開幕スタメンには、堂上直倫の名前があったが、“なにくそ魂”に火をつけられ打撃でアピール。3、4月は月間打率.303で出番を得ると、積極果敢に次の塁を狙い、最大の武器である俊足でも魅せた。さらに四球も選べるようになり、昨季.266だった出塁率は.307まで上昇。守備も日々安定感を増し、監督推薦ながら球宴初出場の権利もつかんだ。

 しかし近い将来、そんな京田の座を脅かしそうなのが今年のドラフト1位・根尾昂だ。大阪桐蔭高時代は投手も兼任し、内野手専念はプロ入りしてから。故障での出遅れもあって、ファームでもまだ一軍昇格を納得させるだけの結果は出せていないが、下の写真を見ても分かるように、類まれな身体能力を持つことに疑いの余地はない。5年後、ナゴヤドームのショートの定位置にいるのは、京田か、根尾か――。

カメラの角度もあるが、中日・根尾のとんでもないほど高いジャンピングスロー


広島・小園海斗 打はアピールも守備では課題山積み


小園海斗/19歳/178cm84kg/右左


 一軍登録とともに即「一番・ショート」でスタメン起用された6月20日のロッテ戦(マツダ広島)、第1打席でカウント0-2と追い込まれながらもしぶとく左前に落とし、プロ初打席初安打を記録。「初打席で安打が出るんだから何か持っているよね」と緒方孝市監督をうならせた。打撃では、そこから交流戦終了まで13打数で二塁打1本を含む3安打で打率.231。三振も5つと多く、まだ確実性はないが、積極性は出しており、今後に期待だ。

 守備では、翌21日、22日(ともにオリックス戦)に一塁悪送球やトンネルと、失点につながる手痛い失策を連発し、3試合で4失策。「(大観衆の中で)普通にプレーするのは難しいと感じた」(小園)。まだ内野が天然芝のマツダ広島への不慣れもあり難しい面もあるが、田中広輔との守備力の差が浮き彫りになり、23日(同戦)からはスタメンを奪回された。再びファームで経験を積むことになったが、菊池涼介のメジャー挑戦希望が再燃すれば近い将来の二遊間再編の可能性も。力はしっかり蓄えておきたい。

阪神・小幡竜平 二軍に潜む超有望株


小幡竜平/19歳/181cm78kg/右左


 一軍でし烈な戦いが続く正遊撃手争い。しかし、伏兵となる可能性を秘めた男が二軍で汗を流し、虎視眈々、そのときを狙っている。中日・根尾昂などの高卒ルーキー遊撃手の中で、彼らと同等の評価を受けてドラフト2位で入団した小幡竜平だ。

 新人合同自主トレでの恒例3キロタイム走では、ドラフト1位の近本光司などを差し置きトップでゴールするなど、身体能力は高い。二軍の春季キャンプでは、高代延博二軍チーフコーチから守備のときの型を徹底的に鍛えられた。「打球に対しての一歩目を早くして前に出ること」を心がけている。強肩に加え、安定したスローイングを武器に二軍の正遊撃手を務める。課題は打撃。打席では早めに始動をしてボールを待てるか。打率は.239だが6月に入り1試合に1本ずつ安打を記録するようにもなってきた。

 現在、チームで3番目に多い54試合出場と実戦経験を積み、一軍で「一番・遊撃手」と目標を見定めている。一軍で木浪聖也北條史也が正遊撃手を争っているが、二軍で超有望株がその座を狙っている。

ヤクルト・廣岡大志 スケール感漂う打撃が魅力


廣岡大志/22歳/183cm81kg/右右


 スケール感漂う打撃は誰もが認めるところだが、今季、思わぬスランプに陥ってしまった。「七番・遊撃」として2年連続で開幕スタメンの座をつかんだものの、8打席連続無安打、3戦目から先発を外された。

 そして長く暗いトンネルに迷い込んでいく。4月半ばに登録抹消となり、約1カ月後に一軍復帰を果たしたものの、今季初安打は一向に生まれない。6月13日の楽天戦(楽天生命パーク)の9回に見逃し三振に倒れ、開幕から41打席連続無安打。1969年に浜村健次(西鉄)が作ったプロ野球記録に50年ぶりに並ぶ。翌日の西武戦(メットライフ)の8回に代打で登場し、42打席目にしてようやく初安打をマークし、新記録は免れた。打った本人は「結果が欲しくなって焦りが出てしまっていた。新記録にならなくてよかった」と胸をなで下ろした。背番号「36」は池山隆寛川端慎吾も背負った燕の出世番号。同じ右打者である池山のような打てるショートを目指す。宮本慎也の引退以来、主役不在の状態が続く定位置争いに終止符を打ちたい。

巨人・吉川尚輝 群を抜く身体能力で坂本勇の後継者に


吉川尚輝/24歳/177cm79kg/右左


 目を背けることができない問題だ。坂本勇人が、高卒2年目の08年から同ポジションを守り、以降、現在に至るまで不動の存在。最多安打、首位打者、ゴールデン・グラブと数多くのタイトルを手にしている。ルックスも抜群の5ツールプレーヤーは15年からキャプテンも任され、まさにジャイアンツの顔。とはいえ、今年で31歳を迎える。負担の大きいポジションゆえに、いつまでも安泰とは球団も考えてはいない。昨秋のドラフトで根尾昂(現中日)の獲得に挑んだのも、迫る“後継者問題”解決のためだ。ただし、あくまでもオプションを広げる補強戦略で、チームには吉川尚輝がいる。大卒3年目の吉川尚は、今季開幕を一番・二塁で迎え、定着が期待されているが、本職は遊撃。自身も「ゆくゆくは遊撃手で」と将来の展望を語る。

 チームでもトップクラスの身体能力を持ちながら守備の正確さにも定評があり、昨季も坂本勇離脱時に遊撃に就いた。二塁には若林晃弘らも台頭し、時期が来れば坂本勇(三塁へ?)から吉川尚への移行が可能な状況である。

DeNA・大河 積極的なプレースタイルでスター性


松尾大河/21歳/174cm75kg/右右


 レギュラーの大和をはじめ一軍でショートを守れる人材は多い。ファームはさらに激戦区。5年目の百瀬大騎、3年目の狩野行寿がしのぎを削るが、次の世代を担うのはさらなる若手がふさわしい。その一人が20歳のルーキー・知野直人だ。高校卒業後、地元新潟の独立リーグ球団であるアルビレックスBCでプレー。現役時代、横浜の内野手として活躍した進藤達哉スカウトの目に留まり、ドラフト6位で今季入団した。1年目の今季はファームで42試合に出場し、経験を積んでいる。攻守にわたり発展途上で、特に打率.170と打撃に関してはレベルアップが必要。しかしながら、「フレッシュオールスターゲーム」に選出されるなど周囲の期待は高い。

 そしてDeNAの次世代を担うショートの筆頭は、21歳の大河だ。一軍出場こそないが、昨季オフには侍ジャパンU-23でショートに固定されワールドカップ準優勝に貢献した。こちらもファームでの打率.213は物足りないが、積極的なプレースタイルは、スター性を感じさせてくれる。早く一軍行きの切符をもぎとりたい。

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