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ドラフト1位候補クローズアップ【社会人編】

河野竜生(JFE西日本) 『ゼロ』にこだわる21歳、驚愕の完成度 「周りの声もあるが、日本一を遂げるため、チームのために投げる」

 

社会人選手の最高の晴れ舞台である、第90回都市対抗野球大会が7月13日に東京ドームで開幕。各地区の代表で地域、会社のためにプレーするが、ドラフト候補選手にとっては、アピールの場でもある。来季から「即戦力」の呼び声が高い、4投手の最終調整に密着した。
取材・文=岡本朋祐 写真=佐藤真一


 都市対抗野球における独自のルールは「補強選手」だ。二次予選を勝ち上がった代表チームは、同地区の敗退チームから最大3選手を“レンタル”できる。鳴門高(徳島)から17年、JFE西日本に入社した左腕・河野竜生は、1年目は三菱重工広島、2年目はJR西日本で東京ドームのマウンドを踏んでいる。昨年はJR北海道硬式野球クラブとの1回戦で救援勝利を挙げると、東芝との2回戦では先発し6回1失点で白星を挙げ、8強進出に貢献。「自分のピッチングに集中した」と、他社のユニフォームを着て貴重な経験を積んだが、やはり達成感が違う。「周りからの期待、応援もある。何としても自チームで出場する」と、入社3年目の今夏にかける意気込みは相当だった。

 都市対抗での自信を得て挑んだ昨年11月の日本選手権で、2つの感情を味わった。宮崎梅田学園との1回戦で完封すると、日本生命との準々決勝でもシャットアウト。三菱重工名古屋との決勝では1点リードの3回、大会21イニング目で初の失点を喫した。「もうひと踏ん張りできていれば、優勝できた……」。4回以降は粘り強い投球を続け9回まで投げ切ったが、味方の援護がなく1対1のまま延長へ。河野は10回以降、救援陣に託すも、13回に決勝点を奪われ1対2で頂点を逃している。河野は27回1失点で敢闘賞受賞も、素直に喜べないのも・・・

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