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2019外国人特集

怒ると怖い? 大暴れした助っ人たち/助っ人こぼれ話

 

2019年7月14日現在で1256人を数える外国人選手。このコーナーでは歴代助っ人のこぼれ話を紹介していく。

西武・東尾に襲い掛かったデービス


 乱闘と外国人が“密接”だったのは、1960年代だ。今以上に日本人選手との体格差が大きく、存在自体に威圧感があったこともあるし、外国人選手側に日本を下に見ていたところもあった。南海のスタンカ阪神のバッキーらは打者の体を狙う“ビーンボール”を得意球(?)と公言し、阪急のスペンサーは“殺人スライディング”で相手選手を何人も病院送りにした。

 70年代、80年代によくあったのは死球を受けた外国人打者が投手に突進するシーンだ。長打力はあるが、内角を苦手とするタイプが多い外国人打者に対し、厳しい攻めはセオリー。外国人選手側には言葉もはっきり分からない異国での疑心暗鬼、結果が出なければ、解雇されるという危機感もあったのだろう。クロマティ(巨人)は体の近くに来ると必ず投手を威嚇(いかく)し、「これではなめられる」と中日宮下昌己がぶつけ、大乱闘になったこともある(87年)。

 外国人バッターに嫌われたのが、西武の死球王・東尾修だ。対外国人選手だけではないのだが、抜群の制球力を誇りながら体の近くにドンドン投げ込み、腰を引かせて外角で仕留めるタイプ。当てても「よけなかったほうが悪い」くらいの顔をしていた。86年6月13日の蛮行は起こるべきして起こった事件かもしれない。東尾が近鉄・デービスの右ヒジに当てると、デービスはマウンドにダッシュし、東尾にパンチ、キックを浴びせた。「正当防衛だ。俺には守らねばならぬ妻と子どもがいる」と言ったデービスだが、のち大麻所持で逮捕され、近鉄を解雇された。
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