祝勝会の前に原辰徳監督と主力選手4人の合同会見が行われた。長く苦しい戦いの後だけにあふれ出た思いもさまざまだった。

「勝つことに対し全員が飢えていた」(原監督)

──もっとも印象深いのはグラウンドの涙だったんですが。

原監督　なんでしょうね。スポーツの素晴らしさというのでしょうか。過去にも何回か優勝は経験しているんですが、あれほどあからさまに涙が出たのは(笑)、自分でも驚いております。やはり多少涙腺はゆるんでいるのだと思いますが、素晴らしい涙でございました。

──過去の優勝との違いは。

原監督　今回復帰という形になりましたけれど、私の場合は、まったくそういうことは頭になかった。過去の戦績も含めて、いろいろなキャリアというものは、自分の中ではもう置いてきたんですね。本当に原点に戻りながらということで、初心からのつもりでいるんで、第1回の、初めての優勝という気持ちです。ですから余計に、自分の中で、ともに戦ってきた選手を前に、関係者、コーチを前にしてわき出てきたということですね。

──最大の優勝の要因は。

原監督　秋から就任して、チーム全員が勝つことに対し、非常に飢えていた。同時に全員が勝利に向かって突き進んだ。よく冗談っぽく言うんですが・・・