開幕から130試合目で首位に立っての逆転V。昨オフにエース、正捕手、三番打者と相次いで主力が流出したが、見事にリーグ連覇を遂げた。その要因は何か――。西武OBの野球解説者・松沼博久氏が今季のLの強さをひも解く。 写真=BBM 本塁打、打点、打率、最多安打、盗塁と打撃5部門の主要タイトルを西武勢が独占。辻監督の打順変更も奏功し、打線が機能した
個の力を発揮させた廣岡元監督の“遺伝子”
連覇を遂げた第一の理由はやはりリーグ最多の756得点を挙げた打線の力になるでしょう。史上初の日本人選手で20本塁打以上5人、さらに史上3度目の日本人選手のみで100打点トリオが誕生しました。
昨オフに
浅村栄斗が
楽天へFA移籍。127打点を挙げて打点王に輝いた三番が抜けましたが、大きな穴にはなりませんでした。代わりに「二塁」に入った
外崎修汰が26本塁打、90打点とさらに飛躍を果たす活躍。さらに外崎が二塁に回って空いた右翼に
木村文紀がほぼ固定されました。これによって、浅村がラインアップに加わっていた昨年よりも足を使える選手が一人増えたわけです。一番・
秋山翔吾、二番・
源田壮亮、三番・外崎、八番・木村、九番・
金子侑司と5人は走ることができる。これは地味に大きなことだったと思います。
そのほかの選手も同様ですが、西武の選手は走塁に対する意識が高い。普通なら二塁からかえってこられないような当たりでも、ホームインできる。一つでも先の塁を狙う意識も徹底されていますし、そうするとおのずと得点能力が上がりますよね。
犠打の数もパ・リーグ最少タイの78。ランナーが一塁にいても強攻するケースが多かったです。それは足を使える選手がそろっていることと無関係ではない。たとえ内野ゴロになったとしても、併殺打になる可能性は小さい。併殺崩れでランナーが入れ代わっても、盗塁を仕掛けてチャンスを広げることができる。もちろん、強攻が成功して一気にビッグイニングにつながることもあります。いずれにせよ、攻撃力が落ちなかったことが優勝の大きな要因になりました。
打線では
辻発彦監督の判断も・・・
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