今季限りでユニフォームを脱ぐことを表明している阿部慎之助の、悲願、「日本一奪回」は叶わなかった。シリーズ4連敗で19年の現役生活を終えたが、そこに涙はなかった。 第1戦の2回に巡ってきた第1打席、
ソフトバンク先発・
千賀滉大の152キロのストレートをとらえた打球は、超満員のヤフオクドームの歓声、悲鳴を切り裂いて右中間スタンドに弾んだ。そのインパクトの強さ、打球スピード、そして飛距離ともに、引退目前の選手のものではなかったといえる。
両軍のシリーズ最初の1点となったこの1本が、結果的に現役最後のホームランとなってしまったが、「日本一で有終の美」を目指した阿部は、開幕から3戦連続先発出場(3戦連続安打は
巨人では阿部ただ1人)と元気いっぱい。現役ラストゲームとなった第4戦はベンチスタートも、2対3と1点差に迫った6回二死一塁の場面に代打で登場すると、阿部の一打で逆転勝利を祈りつつ、「この打席が最後かもしれない」という惜別の思いを持って、場内はおなじみの登場曲『SEPTEMBER』の大合唱で迎えた。この打席では・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン