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勝者と敗者その分岐点。

選手起用から読み解く指揮官からのメッセージ 今の巨人だからこそ、必要だった経験

 

言い訳はしない。見てのとおりの完敗だった。主軸打者の沈黙、大舞台で連発した守備のミスなど敗因はいくらでも挙げられるが、原監督はそれら一つひとつを洗い出すことはせずに、チームの将来を見据えて今回の日本シリーズを総括する。
取材・文=氏原英明[スポーツジャーナリスト] 写真=BBM

6年ぶりの日本シリーズに挑んだジャイアンツ。結果は予想以上に厳しいものに


期待した若手起用が裏目


 指揮官の原辰徳監督に悔いている様子はなかった。むしろ、堂々としていた。

 セ・リーグ覇者として臨んだ6年ぶりの日本シリーズは、ソフトバンクの圧倒的な選手層の前に力負け。1勝もできずに苦虫をかんだ敗軍の将からは悔しさを感じるこそすれ、何か達観しているふうでもあった。

 印象に残っているのは、0対0の接戦を演じながら、ミスから失点してゲームを落とした第2戦の試合後のコメントだ。

「選手は懸命にプレーしていたんですけどね、結果的には投手の足を引っ張る形になりましたね」

 先発のC.C.メルセデスが6回を1安打無失点に抑える好投。投手戦で推移した試合だが、メルセデスから大竹寛にスイッチした後、試合は動いた。先頭のデスパイネがサードゴロを打つと、この回からサードに入っていた山本泰寛が痛恨のエラー。チャンスを拡大され、松田宣浩に3点本塁打を浴び、試合の大勢は決した。9回に粘りを見せたものの、ミスから失った試合の流れを取り戻すことができず、巨人は連敗を喫した。

 しかし、それでも試合後の原監督はミスをした選手に・・・

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