新年を迎えるにふさわしい2人のスペシャル対談が実現した。小紙連載中のプレーヤーズコラム『The GOAL』でもおなじみ、巨人の菅野智之と、2019年は最多奪三振のタイトルを獲得し、初めてパのベストナインにも輝いたソフトバンクの千賀滉大だ。2020年は侍ジャパンで先発の2大エースとして金メダル獲得が期待される2人の話は、19年シーズンの総括から東京オリンピック、将来像など多岐にわたった。では、プレミアムな時間をどうぞ──。 取材・構成=坂本匠、菅原梨恵、写真=小山真司(インタビュー)、BBM取材協力=品川プリンスホテル インパクトを残した真っすぐいるだけで引き締まるオーラ
セ・パを代表する2大右腕はこれまで侍ジャパンでの活動を通じて面識があったが、ゆっくりと会話をするのはこれが初めて。実はこの対談、「菅野(智之)さんと話がしたい」と千賀滉大のたっての希望で実現したもので、会場にも後輩・千賀が先着。菅野を待ち構え、対談前後の時間も質問攻めに。1月にはとある場所でトレーニングをともにするという2人の、出会いと思い出話からスタートした。 千賀 よろしくお願いします。
菅野 よろしく。うれしいよ、千賀と話ができるのは。どう? ウチは俊(
山口俊)さんのポスティング(ブルージェイズへの移籍で合意)が認められたけど、その件で球団と話はしたの?(注※千賀は17、18年の契約更改の席上でポスティングシステムを利用した将来的なMLB移籍容認を求めている)
千賀 いきなりですね(苦笑)。
菅野 ダメだって?
千賀 継続的に話をしています。でも、ジャイアンツが認められたので……。
菅野 いい流れが来るかもね。「将来の自分」ってことに関しては対談のテーマの1つに指定されているから、それはあとにするとして、自分らが最初に会ったのって、侍の強化試合だったっけ?
千賀 そうです。WBC前年の、16年秋のメキシコ、オランダとやった強化試合ですね。菅野さんは代表に呼ばれていましたけど“投げない”というときです。
菅野 そうだ。コンディション不良でCSも投げられなくて。辞退を伝えたら、権藤(
権藤博、侍ジャパン投手コーチ)さんから電話が来て、「投げんでいい。お前は俺の話し相手だから来い」って(笑)。
千賀 16年は僕が先発に専念し始めた最初のシーズンだったので、菅野さんはすごい雰囲気のある、オーラのある人だなと思ったのが第一印象です。
菅野 もちろん、一緒のチームになる前から存在は知っていたよ。そういえば、プロ入りは千賀が2年先輩なんだよね。僕がジャイアンツに入ったのが13年だから……その年は支配下何年目?
千賀 2年目です。その時はリリーフで、51試合に投げたシーズンです。
菅野 その13年にオールスターに出て、千賀も初出場で、ベンチから投げている姿を見ていたんだけど、セのベンチではみんなが「いい選手。フォークがすごい」という話をしていてね。実際にフォークもすごかったけど、「真っすぐがいいな」と思ったのを覚えている。その時点ではどんな選手かまでは知らなかったんだけど、あの真っすぐは強烈だったよ。
千賀 ありがとうございます。菅野さんは1年間浪人して入ってきて、それでもパフォーマンスを落とさないのがすごいなと思っていました。しかも1年目から13勝を挙げてますもんね。
菅野 1年目は怖いもの知らずでイケイケだったからね。連絡をくれるようになったのはWBCのあとから。共通の仲の良い選手もいるからね。今は則本(
則本昂大、
楽天)とも交流があるんだよね? それにしても、WBCのときの千賀はすごかったね。2次ラウンドのイスラエル戦(※先発して5回1安打無失点)が半端なかった。あのときのイスラエルは強いチームだったけど、それを1安打だから。
千賀 ジャイアンツの菅野さんのピッチングというのはあまり近くで見たことがないんですが、代表戦での菅野さんのパフォーマンスと、雰囲気がスゴいです。何かをものすごく口で言うというわけではないんですが、いるだけで引き締まるというか、心強いというか。何かあると一言ピシッとアドバイスをくれて、WBCのときもかなり勇気づけられました。
菅野 WBCはまだ年齢的には真ん中くらいだったけどね。ただ、いまは代表もオールスターも、年々、年下が増えて歳を感じる。WBCに関しては千賀もそうだったと思うけど、すごい自分の中で・・・
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