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2020ドラフト注目選手クローズアップ【大学生編】

早川隆久(早大・投手) 先輩2人の背中追う主将兼エースの矜持

 

高校、大学と侍ジャパンでプレー。唯一、到達できていないのはチームとしての優勝。主戦投手ながらキャプテンの大役を託され、黙々と投げ続けるその先に、プロが見えてくる。
取材・文=岡本朋祐 写真=大泉謙也

初代部長・安部磯雄氏[右]、初代監督・飛田穂洲氏[左]の胸像前でラストイヤーの飛躍を誓う。東京六大学の主将は背番号「10」を着ける


 安部球場のポール間走。早大投手陣の名物メニューである。早川隆久はストップウオッチを手に黙々と歩を進めている。あまりにもハードな練習が続くため、日によってメニューを組み替えている。片道を30秒以内で20本。例えば30メートル走で自身のマックス(自己記録)を0.2秒遅れたら、その時点でメニュー終了という厳しさ。

「しんどいと思う極限にまで追い込まないと、先は見えてきません。人間とは、そういう生き物だと思っています」

 早大第110代主将に就任した早川は2020年のチームスローガンを『GRIT』に決めた。その真意を語る。

「やり抜く。泥臭く。自分たちは、きれいに野球をしようとしても無理。それができるのは、プロ野球だけです。学生である以上は、しっかりとした土台を固めていかないといけない。早稲田大学野球部としての立ち位置。人間性と技術は、相関関係にあると思っています。私生活、練習態度。常日ごろからの気遣い、気配りが野球におけるスキルアップに比例すると思います」

 頭ごなしに言うタイプのリーダーではない。自らが率先して動き、後輩たちが気づいてくれれば良いと思っている。指示待ちでは成長はない。

 昨秋の早慶戦。早大は1回戦で敗れ、慶大の3季ぶりのリーグ優勝を見届ける屈辱を味わった。同2回戦は雪辱し、1勝1敗のタイとなったその夜。帰宅前の小宮山悟監督と早川は安部寮のラウンジ前で鉢合わせ・・・

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