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2020ドラフト注目選手クローズアップ【高校生編】

東海大相模高・鵜沼魁斗(外野手)&加藤響(内野手)&山村崇嘉(内野手兼投手)&西川僚祐(外野手) 伝統スタイルを継承する156発カルテット

 

昨秋の関東大会4強。東海大相模高は2年ぶりのセンバツを有力の立場としている。攻守にスキのないスタイルは健在。中でも全国屈指の攻撃陣が注目されているが、昨秋の一番から四番まではいずれもプロ志望だ。
取材・文=岡本朋祐 写真=中島奈津子

東海大相模高のモットーは原貢元監督[故人]の時代から「アグレッシブ・ベースボール」が不変。攻守で攻めの姿勢を貫き、リズムをつかんでいく。現役選手にも浸透している


 156本。昨秋の関東大会で4強進出した東海大相模高の一番から四番までの高校通算の総本塁打だ。破壊力ばかりに目がいくが、根底には「アグレッシブ・ベースボール」がある。積極性とは、攻撃だけではない。守備、走塁においても相手にプレッシャーを与え続け、そこでリズムをつかみ、打線がたたみかける。

「ウチは『原貢野球』しかない」

 春2度、夏1度の甲子園優勝実績がある門馬敬治監督が追求する唯一のスタイルだ。原貢氏(2014年5月死去)は巨人原辰徳監督の父。三池工高(福岡)では1965年夏の甲子園で初出場初優勝へ導き、東海大相模高でも70年夏を制した名将だ。東海大の教え子にあたる門馬監督は恩師の教えを守り、後輩に伝えている。

 好きな言葉から人柄が見えてくる。不動の一番・中堅の鵜沼魁斗は「精進・ガツガツ」と言った。昨年11月末までに通算27本塁打を放っているが、役割はチャンスメーカー。50メートル走5秒9の俊足を前面に、文字どおり斬り込み隊長だ。昨年9月のU-18W杯(韓国・機張)では、作新学院高・横山陽樹とともに2年生で高校日本代表入り。3試合(2打数無安打)と出場に恵まれなかったが、約20日間のすべてが財産であった。

「ドラフト指名を受ける選手(3年生18人のうち13人)ばかり。レベルの高い選手と一大会の時間を共有できたのは、良い経験となりました」

 国際大会の使用バットは、普段から手にする金属ではなく木製。不慣れな海外生活による疲労もあり、帰国後は調子が上がらなかった。すでに秋季県大会が開幕しており、鵜沼は湘南学院高との3回戦に戦線復帰。門馬監督は何番で起用するか迷った。

「状態は良くなかったが、鵜沼が一番にいることで・・・

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