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追悼 誰よりも野球を愛した男。

野村克也が語る。「知性」と「愛」で彩られた熱き野球論【後編】

 

野村氏の大きな魅力の一つに「言葉」がある。ここからは本誌、小社発行の書籍から「野村の言葉」をたどっていく。
※インタビューはすべて一部を抜粋したもの
→野村克也が語る。「知性」と「愛」で彩られた熱き野球論【前編】

90年からヤクルト監督に就任し、黄金時代を築く


1998年1月5・12日号 「プロ野球全体が知性を忘れている」


 97年ヤクルト監督として優勝、日本一に輝いた。戦力的には、巨人などと比べ見劣りしたが、「再生工場」をフル回転させ、野村監督の手腕で導いた頂点と言えるだろう。対談相手は森祇晶氏。

野村 昨シーズンを振り返って、あらためて「野球ってなんだろう」という疑問と、「なぜ勝てたんだろう」という疑問が湧いてきましたね。その中で、挙げられる一番の勝因は“野球の乱れ”ですよ。プロ野球全体が野球の本質から離れて、ただ投げて打って、という一本調子になっている。また、勝った負けたという結果だけにとらわれている。野球というのは、知性のスポーツだとわれわれは認識してきたんですよ。しかし現在は、ただホームランを期待するような味気ない野球になってきています。

 場当たり的な野球になっているのは確かだね。

野村 監督たちの戦いの中で「勝てばいい」という風潮が強くなってきている。そこには選手たちも教育とかしつけというものはありません。われわれは年齢を重ねてきて、若いころに感じなかったことを感じるようになってきた。「文武兼ね備えてこそ無敵」という言葉があるんですが・・・

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