よく「甲子園の優勝投手はプロでは大成しない」というジンクスが言われる。もちろん、
松坂大輔(横浜高3春夏。現・
西武)、
田中将大(駒大苫小牧高2年夏。現・ヤンキース)ら例外はいるが、200勝以上の投手の中で夏の甲子園優勝投手は皆無、センバツは
野口二郎(阪急ほか)、
平松政次(大洋)の2人という数字を見ると、10代の高校年代の最強が、必ずしも20代、30代の最強にはなっていない、ということは感じる。
これを「酷使されたため、伸び悩む」というのは必ずしも正しくはない。むしろ肉体の熟すスピードの違いを強く感じる。10代でエースとして全国を制すためには、パワー、スタミナ、技術と総合的な完成度が求められ、そのためには早熟な才能が求められる、ということだ。残酷な言い方だが、その分、プロ入り後の“伸びしろ”が少ない場合もある。
かつて高校野球人気がバブルのように膨張したのが、1980年夏から85年までだった。横浜高の左腕・
愛甲猛(
ロッテほか)、早実の1年生エース・
荒木大輔(
ヤクルトほか)が決勝で当たり、横浜高が優勝を飾った夏から、
畠山準(南海ほか)、
水野雄仁(
巨人)らを擁し、84年夏、85年春を制した、やまびこ打線の池田高、さらに、その池田高を撃破したKK、
桑田真澄(巨人ほか)、
清原和博(西武ほか)の・・・
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