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球団別捕手事情2020

阪神・梅野隆太郎インタビュー 優勝あるのみ 「今まで以上に注目される開幕戦だからこそしっかり準備していく」

 

「今季のチーム力に自信がある」2年連続捕手部門でゴールデン・グラブ賞を受賞した男は断言する。新型コロナウイルス感染拡大の中、開幕が依然と見えないプロ野球。しかしこの男は正捕手としてチーム事情を理解し、一つにまとめる。思いは一つ「優勝したい」という渇望からだ。
取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM ※取材日=3月17日

昨季の戦いで3位に入り、自信を得たチームに手応えを感じている。今季は優勝を狙う


無観客試合で気付いたファンあってのプロ野球


 新型コロナウイルス感染患者を出した球団として約3週間の活動休止となった。4月15日に自主練習が開始され、いつになるか分からない開幕へ向け再始動した。その中で、正捕手の梅野隆太郎も、チームリーダーとして前に進む。今回のインタビューはチームメート3選手の感染が発表される1週間前の3月17日に行ったもの。その当時の気持ちと、現在の気持ちにまったくの変化はない。

──まず、開幕延期が正式に決まるまでの間の気持ちに、どういう動きがあったのか、聞かせてください。

梅野 春季キャンプが終わったときは当然3月20日に向けて、という気持ちはありました。オープン戦では無観客試合でしたが、スタンドにファンがいない中での試合は、僕たちの中でもかなり寂しいことでした。今後の開幕を迎えるにあたり、やはりファンは球場に来てくれることが一番だと思いました。

──ファンがいない中での試合は、何か違うなあ、という感じですか。

梅野 何試合しても慣れなかったです。最初の無観客試合などは特にそうで、選手たちの声は通るし……。まあ、プレー中に指示が通りやすいことは、いい点ではあるのですが、実際にファンがスタンドにいる状況でプレーするわけで、選手たちの声は、その声援にかき消される。だからこそ無観客試合でも、それぞれのポジションで指示されるのを待つのではなく、自ら考えて行動して、確認していくことをしていかないとダメだと強く思いましたね。

──それは無観客試合のへい害とでも言っていいですね。

梅野 もともとオープン戦からファンがいる中で、チームプレーを充実させていく部分もあるので。それでもしっかりチームとしてやっていくべきだし、ただでさえ開幕戦は緊張すると思うので、それぞれが自分でしっかりと判断できるようにしていかないといけないです。

──スタンドが満員となった中での開幕戦がやはりプロ野球には必要ですか。

梅野 ファンが入った中での開幕戦の雰囲気は当然違います。しかも、これまでと違い、すごく注目される開幕戦になると思います。だからこそ準備はしっかりやらないといけないな、と思いますね。今まで以上にどっと疲れがくるような開幕戦になると予想はしていますから。

──無観客でやったからこそファンのありがたさが分かったこともある、と。

梅野 もちろんそうです。打席の中でそれを一番感じましたね。応援歌があったり、チャンステーマ(得点圏に走者を置いた中で流れる応援歌)が流れたりする。試合のそのときの状況で、球場の雰囲気を感じながら打席に立つのですが、それがないと何て言葉に表していいのか……ただ、だいぶ違うなあ、と思います。

──ファンによって盛り立ててもらえる。

梅野 常にファンがたくさん球場に来てくれる中でプレーするのがいいなあ、と思っています。だからこそ・・・

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