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キャッチャー大考察

里崎智也が語る 2020捕手事情&配球・リード論 「結果論で評価される『リード』だが、良い結果を導く確率を高めることはできる」

 

現役時代は2005、10年のロッテ日本一に貢献し、06年にはWBC優勝キャッチャーとなった名捕手にして、自らも「打てる捕手」だった里崎智也氏が、“名捕手”の条件、そして「リード」と「配球」の違いを解説する。
取材・構成=杉浦多夢 写真=BBM


【テーマ1 名捕手の条件】「打つ」か「勝つ」が必要となる


 僕が考える“名捕手の条件”は「打つこと」と「勝つこと」でそこに「リード」は入りません。なぜなら「良いリード」には評価の基準がないですし、「リードの良し悪し」は結果論でしかないからです。実際、打たれた、負けたのに「でもリードは良かった」と言われることはほとんどありません。「良いリード=勝つこと」で周囲は評価をするのです。

 その前提として「捕る」「止める」「投げる」が一定のレベルにあることは必要です。守備面でそこをクリアできていなければ試合に出場することはできません。ただ、「捕る」「止める」「投げる」は比較的、誰が見ても評価しやすいものではありますが、それでも人によって「一定のレベル」をどこに設定しているかは変わってきます。評価の基準がないことに変わりはないのです。

 その点、「打つこと」は打率や本塁打数、長打率、出塁率など明確な基準があります。「勝つこと」はそのままですね。昨季の森友哉(西武)はまさにそのようにして評価されました。キャリアハイの23本塁打、打率.329で首位打者に輝きMVPを獲得。リーグ連覇に貢献しました。一方、チーム防御率は2年連続のリーグワーストでしたが、「リードが悪いから」と批判され、MVP捕手の評価が下がることはないのです。

「捕る」「止める」「投げる」で僕がNO.1だと思っているのが・・・

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