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「夏の甲子園」79年ぶり中止

球児に寄り添う現場指揮官の「本音」

 

学校休校中のため、5月20日の中止決定の無念を、部員と同じ空間で過ごすことができなかった監督は多い。「甲子園」が消滅した率直な思い、そして、今後のケアについて迫った。
取材・文=岡本朋祐


 日本高野連から「中止決定」の広報FAXが届いたのは16時。春1度、夏2度の甲子園優勝で通算51勝(歴代4位タイ)の帝京高・前田三夫監督は、その前に報道を通じて知ったという。涙をこらえることができなかった。

「覚悟はしていましたが、あまりに残念で……。言葉が出ません。感情が抑えられなかった。生徒はもっと、大変なんだろうと……」

 2月28日から活動休止で、集まることはできない。当初はLINEでメッセージ動画を送信する準備を進めていたが「私が一方通行でしゃべっても……。声を聞いて、励ましたいと思いました」。一夜が明け、2、3年生40人に一人ずつ、電話した。

「3年生は落胆し、声を詰まらせている部員もいた。応援してくれたお父さん、お母さんにはお礼を言えよ、と。背中を押してくれているのは家族ですから。大会関係者の方々は、開催の方向で努力してくれた。この決定を理解しよう、と。これで終わったわけではない。夢は捨てるな、と。進路のことも考えていかないといけない。6月以降に活動が再開したら、力になりたいと思います」

 東京都高野連は日本高野連理事会の1週間前、5月13日に「暫定日程」を発表するなど、東・西東京大会での独自の大会運営に意欲的だ。とはいえ、開催へは・・・

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