例年なら開幕から2カ月が過ぎ、熱戦が展開されているはずだったが、新型コロナウイルスがわれわれから球音をも奪ってしまった。それでも日本プロ野球の開幕は、まもなくだ。当面は無観客試合が続く予定だが、いよいよ2020年シーズンが始まる。野球が恋しい、早く野球場に行きたい、そんな読者に贈る「球場物語」。 建設計画の具体化までは紆余曲折があったが、ユニークな工夫が詰まった楽しさ満載のスタジアムとして完成。2009年のシーズンにカープの本拠地として開場されると、のちのチームの快進撃と相まって人気が沸騰、近年はどのゲームでもほぼ満員となる盛況ぶりを見せている。
建設の際のコンセプトは「ネオ・クラシカル様式」で、「古き良きスタイルを大事にして、新しい形で再構築する」というもの。左右非対称の内外野天然芝のフィールドは美しく、まるでメジャーのグラウンドのような雰囲気を醸し出す。ファンが迫力のあるプレーを楽しめるようにと、ファウルグラウンドは極力狭くつくられ、一部を除き、内野スタンドにも防球用のネットフェンスはない。
観客席にも、工夫が多く凝らされており、スタンドの勾配は緩やかで、内外野スタンドは全席・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン