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アフターコロナと高校野球

全国47都道府県高野連「代替・独自大会」の行方 諸々課題がクリアできず……。福岡県高野連は開催断念

 

5月20日、第102回全国高校野球選手権大会の中止決定を受け、47都道府県連盟では「代替・独自大会」の開催へ向けて動き始めた。甲子園につながらない大会は「3年生のため」が色濃いが、実現へは多くのハードルをクリアする必要がある。
写真=BBM

抽選会、開会式などでは「3密」(密閉、密集、密接)を避ける感染防止対策を徹底しなければならない


全国初の「決断」福岡中止の背景


 福岡県高校野球連盟は5月25日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止された第102回全国高校野球選手権と地方大会の代替となる独自大会を行わないことを発表した。各都道府県高野連で代替大会開催の動きが出ている中、全国で初めての開催断念の決定だった。

 福岡県高野連は開催断念へ至った5つの理由を挙げている。

 (1)新型コロナウイルス感染拡大傾向は完全な終息が見通せないため、大会開催に伴う移動、競技を通した感染リスクがまだまだ残り、無観客試合とはいえ感染防止対策を講じても部員、指導者、関係者の安全確保に不安が大きいため。

 (2)大会を実施した場合、万一、選手、指導者、関係者に感染者が出た場合、本人の健康被害やもとより家族・学校関係者、職場の方々に多大な迷惑を掛け、野球部員以外の方々に対しても、いわれのない誹謗中傷を助長するおそれがあるため。

 (3)選手や審判委員に熱中症やケガが例年以上に多くなることが予想され、発熱の症状が熱中症か新型コロナウイルス感染によるものか見極めが困難。またケガ、熱中症により医療現場に負担を負わせ、治療に遅れが生じる危険があるため。

 (4)学業の遅れを挽回するため土曜授業、夏期休暇の短縮等が予想される中で考査や資格試験を受験し、また公欠が認められるかなど、学校教育上の課題が残る。

 (5)すでに多くの部活動が中止を決定しており、県民や各校の生徒、教師と新型コロナウイルスと戦うことが野球部員の矜持だと考えたため。

指針&財政支援も「決定」は変わらず


 20日の甲子園中止の決定を受け、福岡県高野連は22日に常任理事会を開き、代替大会開催の方向性を話し合った。大会日程や球場の確保などの面ではクリアし、ドラム缶5本分の消毒液を確保し感染対策もできていた。それでも・・・

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