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TEAM CLOSE UP

江陵高(北海道) 部員20人の使命感 来年3月に閉校。「最後」と向き合う夏

 

2017年ドラフト2位でソフトバンクに入団した古谷優人の母校・江陵高は、21年3月をもって、幕別高との再編統合により閉校する。野球部員は3年生のみの20人。最後の代は春夏を通じて初の甲子園出場を目指していたが、無念の中止。この厳しい現実を、どう受け止めたのか。
取材・文=岡本朋祐 写真提供=江陵高校野球部

緊急事態宣言の解除を受け、6月1日から全体練習を再開した。3年生は「区切り」を迎えるまで人を磨き、最高の形で歴史に幕を閉じる


 3年生、最後の夏。2020年、江陵高にとっては、春夏を通じて初の甲子園を狙うラストチャンスであった。1946年、前身の池田服装裁断学院として創立された私立の同校は、19年4月から新入生の募集を停止。道立の幕別高との再編統合(幕別清陵高)により、来年3月をもって75年の歴史に幕を下ろす。5月20日。日本高野連の発表により、北北海道大会も中止で、全国への道は閉ざされた。後輩がいない3年生20人をけん引した主将で捕手・尾崎太郎は冷静に受け止めていた。

「前段階から、谷本監督からは期待を持たせるような言葉はありませんでしたので、どんな結論になっても、覚悟はできていました。野球ができなくなるわけではない。この経験を、今後の人生にどう生かすかが大事だと思います。自分たちが最後の代になるとは、入学前から承知の上。人としての成長がなければ、技術の向上はありません。学校生活、寮生活をベースに、自分たちは監督の野球、生き方を信じて前へ進むだけです・・・

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