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6.19 球音再び──

「6.19」プロ野球開幕へ

 

待ちに待ったプロ野球が開幕する。5月25日、NPBと12球団は代表会議を開き、6月19日にセ・パ同時開幕することを発表した。11月21日開幕の日本シリーズ進出を目指し、約5カ月間、最大120試合でシーズンを戦うことが決まった。
※情報は6月1日時点

スタンドに観客はいないが6月19日にいよいよプロ野球が日本スポーツ界の先陣を切ってスタートする/写真=小山真司


スポーツ界の先陣を切りいよいよプロ野球がスタート!


 緊急事態宣言が解除された5月25日以降、各球団とも紅白戦が組まれた。「やはり試合がないとさみしいですね」「試合がないまま、紫陽花(あじさい)が咲く季節になった。早く試合が見たい」というファンの声も聞こえていた中で、報道も新型コロナウイルスに関するものから、開幕に向けての仕上がり具合へと大きく内容が変化。6月2日からは、6月14日までの期間で、練習試合が組まれるなど、いよいよ待望の日を迎えようとしている。

 しかし通常どおりのシーズンとはいかない。2005年から始まった交流戦、そして1951年から開催しているオールスター・ゲームが中止になった。クライマックスシリーズもセ・リーグは中止の方向性で進められ、パ・リーグは開催の方向で動くなど、イレギュラーなシーズンとなるのだ。

 さらに、緊急事態宣言が解除されたからといってすぐにファンを球場へと迎え入れられるわけではない。まずは無観客で試合を続けていくことになる。新型コロナウイルスの感染予防のため、80ページにも及ぶガイドラインがNPBにより作成されているが、その詳細は6月1日時点でまだ発表されていない。しかし、その中身は「3密」やソーシャルディスタンスなどが考慮されたものになっているという。

練習の合間、グラウンド内で監督なども感染予防のためマスクを着用しながら選手たちを見守っている/阪神球団提供


 6月2日からの練習試合では、オリックスの本拠地、京セラドームはダグアウトの隣にあるカメラマン席をダグアウトにするなど、ベンチにいる選手の間隔をあける措置を取る。公式戦が始まった場合も、同じような流れになっていくことになっている。

 28日、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が「新型コロナウイルス感染予防ガイドライン」を公表。その中には、投手などが指をなめる行為、ツバを吐く行為の禁止。審判はマスクと手袋の着用、監督やコーチは審判と2メートルの距離をとること、選手はベンチ内で1メートルの間隔を空けることなどが盛り込まれている。当然、NPBもこのガイドラインに近い内容で開幕をスタートするはずだ。MLBでは選手も球場入りするときには検温やサーモグラフィーで体調管理をしていくようだが、NPBでも同じような形になるであろうことが予想される。

感染予防ガイドラインに従い、審判もマスクを着用して試合に臨んでいる/ヤクルト球団提供


移動リスクを考えた日程


 日程面では、今のところ約5カード(約1カ月分)、7月下旬までのスケジュールが公表された。緊急事態宣言解除後の、政府はステップ3までの道のりを示しているが、そのステップ3で初めて観客を球場に入れることができる。人数は「5000人」か「席数の50%」の少ないほうを上限として認められる。その解除が7月10日から。この部分を世の中の流れや、第2波、第3波の状況を見つつ、まずは7月7日までを発表するという判断になったようだ。

 開幕カードを見ていくと、セ・リーグは移動リスクを抑えるため、6球団すべてが関東圏に集まり、集中して試合日程をこなしていく。開幕戦後も関東と名古屋で3連戦ずつ、7月2日まで戦う予定だ。

 パ・リーグは、セよりも本拠地が各地へと分散しているため、関東圏、関西圏、九州でそれぞれ開幕を迎えるが、その後は同地区にとどまり、同一カード6連戦などが組み込まれながら試合をこなしていくことになる。

 もちろんメディアにもソーシャルディスタンスの徹底が行われる。マスクの着用と手指消毒の実施の必須はもちろんのこと、入場前にサーモグラフィーでの体温チェック。それを通過後には受付で「体調モニタリング表」を記入することになる。無観客で行われる試合で、外からのウイルス感染を防ぐことを徹底的に行っていくのだ。

 誰も経験したことのない未曽有の状況の中、新型コロナウイルスの感染を防ぎながら、シーズンを迎えることになる。延期が相次いでいるスポーツ界の中で、プロ野球が先陣を切ってスタートする。まずはテレビやネットを通じてだが、疲へいしている日本に元気を与えていく。

6.19開幕からの流れ
5月25日 NPBが6月19日、セ・パ同時開幕を発表。ファームも同時開幕
5月26日 交流戦開始=中止
6月2日 練習試合再開セ・パ72試合開催
7月19&20日 オールスター・ゲーム=中止
11月21日 日本シリーズ開幕

2020年主な試合開催方式
143試合=120試合に変更
観客=無観客試合
(政府の非常事態宣言解除ステップ3をクリア後に観客を入れる)
交流戦&オールスター中止
CS(セは中止予定。パは開催予定)
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