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2020シーズン大展望

【パ・リーグ編】開幕延期の影響は?解説者2020シーズンやり直し順位予想 高評価はやっぱりソフトバンク!

 

いよいよ待ちに待った開幕が近づいてきた。ここから『やり直し2020年順位予想』と題し、3月23日号に登場してもらった12人の解説者に、あらためて現時点の予想を聞いた。まずはパ・リーグ編だ。(→セ・リーグ編)

パ・リーグ2連覇中の西武は、新たに駒田氏が優勝候補に推している


ソフトバンクの人気は変わらず。評価上昇は西武


 当初の予想順位から変動があったのは3氏のみで、初志貫徹がほとんどだった。予想をお願いしたのは練習試合が始まる前後で、判断材料が少なかったのも理由の一つだろう。そんな中で優勝予想をソフトバンクから西武に変更したのが駒田徳広氏だ。「秋山翔吾(現レッズ)が抜けた穴」をどの解説者も焦点としていたが、駒田氏は中村剛也の打棒に期待。昨年も浅村栄斗(現楽天)の穴を感じさせない打線の破壊力でパ・リーグを2連覇中。優勝候補に挙がってもおかしくない存在なのだ。

 それでもソフトバンクへの評価の高さは変わらない。故障者の多さを危惧する声もありながら、最終的には「選手層の厚さ」が上回ってしまうわけだ。活動休止期間が12球団で最も長く、調整遅れがささやかれる楽天の評価は意外にも変わらず。4人が優勝を予想している。逆に最下位予想は日本ハムが8人、オリックスが4人と2球団に集中。良い意味で期待を裏切ることができるか。

解説者の1位予想


■6月22日号 1位予想
【ソフトバンク】
斉藤和巳井端弘和斎藤雅樹野村弘樹藤井康雄伊原春樹藪恵壹
【楽天】
高木豊真中満里崎智也達川光男
【西武】
駒田徳広

■3月23日号 1位予想
【ソフトバンク】
駒田徳広、斉藤和巳、井端弘和、斎藤雅樹、野村弘樹、藤井康雄、伊原春樹、藪恵壹
【楽天】
高木豊、真中満、里崎智也、達川光男

駒田徳広「西武は中村が爆発しますよ!」


駒田徳広/こまだ・のりひろ●1981年ドラフト2位で巨人入団。「満塁男」の異名を取り、5度のリーグ優勝に貢献。94年、横浜にFA移籍。98年に日本一。2000年に通算2000安打を達成し現役引退。16年から19年まで四国IL/高知の監督を務めた


 西武とソフトバンクを入れ替えました。西武は秋山(現レッズ)が抜けましたけど、今年は中村がやりますよ。円熟期に入った感じがしますし、山川を抜いて本塁打王を獲得するんじゃないかと。そうすれば打点王もついてきて、さらに中村が爆発すればチームにも勢いがつく。投手陣が不安ですけど、それは別に今年始まったことではないでしょう。ソフトバンクを下げたのはデスパイネグラシアルが開幕からしばらく不在のため。それでも選手層は厚いんですが、きっとほかの皆さんがソフトバンク優勝と言うと思うので(笑)。面白いのは投手陣が充実しているオリックスですが、もっと若手をどんどん使ってほしい。ロッテは新加入の福田秀とルーキー・佐々木朗に注目しています。きっとやりますよ。

1位 西武(3月は2位予想)
2位 ソフトバンク(3月は1位予想)
3位 ロッテ
4位 楽天
5位 日本ハム
6位 オリックス

斉藤和巳「上位2チームは数がそろう」


斉藤和巳/さいとう・かずみ●1996年ドラフト1位でダイエー[ソフトバンク]入団。沢村賞[2003、06年]など数々のタイトルを獲得も右肩の故障に悩まされ、07年が最後の一軍登板に。11年からリハビリ担当コーチとして復帰を目指すも、13年に引退表明


 状況が変わった中、どこを見るかというところで、『投手力』を重視しました。特にパ・リーグは1カード6連戦が続きますからね。個人的には先発は6枚そろえるのがベストですが、なかなか難しい。オープナーという形も取るチームも増えると思いますし、そうなるとリリーフ陣の層も必要です。その点で、西武はやっぱりどうかなと……。開幕から15連戦本拠地でできる、その利はあるんですけどね。上位2チームが変わらないのは、先発・リリーフともに数はそろっている。ホークスの場合は先発陣の調整が少し遅れている感じがするので、少し迷いましたが。ロッテは若い投手が多いので、そこが計算できればというところではありますが順位アップ。チームとして波があるオリックスは……変わらずです。

1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ(3月は5位予想)
4位 日本ハム(3月は3位予想)
5位 西武(3月は4位予想)
6位 オリックス

里崎智也「前回と変える根拠がない」


里崎智也/さとざき・ともや●1999年ドラフト2位でロッテ入団。2年目の2000年に一軍出場を果たすと、05年の日本一、06年のWBC優勝に貢献。10年にもリーグ3位からの下克上日本一をけん引した。14年に現役引退


 大型補強の楽天が、どんな戦いを見せてくれるのか楽しみです。足を使える辰己らが定位置を奪えれば攻撃の幅も広がります。ソフトバンクは最強戦力を誇るものの、毎年のようにケガ人が続出しているため1位には推せない。ただ、万全なら独走してもおかしくありません。西武は秋山(現レッズ)が抜けた今年も打力で勝ち進む可能性はありますが、普通に考えれば苦しい戦いになるはず。ロッテは上位を狙うには全体的な底上げが必須、オリックスも外国人頼みの打線が未知数。若手の突き上げがない日本ハムは苦戦を強いられるでしょう。と、予想は前回と変わらず。延期期間で戦力がどうなったか見えてこない。チームも選手の状態を把握している真っただ中でしょうから、前回と予想を変える根拠はないんです。

3月から予想変更なし!
1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 西武
4位 ロッテ
5位 オリックス
6位 日本ハム

伊原春樹「4位までに優勝のチャンス」


伊原春樹/いはら・はるき●1971年ドラフト2位で西鉄入団。76年巨人へ移籍し、78年ライオンズに復帰して80年限りで現役引退。西武[2度]、阪神でコーチを務めた後、02〜03年西武監督、04年オリックス監督、07〜10年巨人コーチ、14年西武監督を務めた


 新型コロナウイルスの影響でソフトバンクのデスパイネ、グラシアルが来日できないようですが、ソフトバンクの1位予想を含めてパ・リーグの順位予想は以前と変更なしです。両大砲が不在ですが今季はバレンティンがいる。ほかにも役者がそろっているソフトバンクですから極端な戦力ダウンにはならない。右前腕部を痛めていた千賀も開幕後、早めに復帰するようですし、投手陣も万全な形になりそうですから。ソフトバンクと優勝争いを繰り広げるのは西武でしょう。弱点の投手陣も先発の軸となるニールは順調で、伸び盛りの若手も多い。強力打線も健在ですから。4位予想の楽天までは優勝のチャンスはあります。オリックス、日本ハムは投打ともに優勝するには若干、戦力が足らないと思いますね。

3月から予想変更なし!
1位 ソフトバンク
2位 西武
3位 ロッテ
4位 楽天
5位 オリックス
6位 日本ハム

藤井康雄「千賀が微妙だが代役は充実」


藤井康雄/ふじい・やすお●1987年ドラフト4位で阪急入団。2年目にブレークし、95、96年にオリックスのリーグ連覇に貢献。2002年の引退後はオリックス、ソフトバンクでコーチを歴任。今年から神戸中央リトルシニアのコーチを務める


 同一カード6連戦となる日程で、さらにソフトバンクの戦力層がモノを言うシーズンになるでしょう。千賀が離脱中とはいえ、代わりの選手が次々と出てくる。主力をカバーできる選手層は、これ以上ない強みです。だから、優勝予想は変わりません。日程を見て、前回4位予想だった西武を2位予想に。開幕から15試合ホームで戦えるわけですから、投手陣が不安視されているものの、今井、高橋光、松本ら若手の経験不足を本拠地という“環境”がカバーしてくれるでしょう。秋山(現レッズ)が抜けたとはいえ打線は強力ですから、試合をつくれば勝算は生まれます。3位予想の楽天も、投打ともに戦力がそろい上位に食い込むはず。下位予想の3球団は、上位予想の3球団に比べれば戦力的に厳しいでしょう。

1位 ソフトバンク
2位 西武(3月は4位予想)
3位 楽天(3月は2位予想)
4位 ロッテ(3月は3位予想)
5位 オリックス
6位 日本ハム

高木豊「三木監督がどう采配するか」


高木豊/たかぎ・ゆたか●1981年ドラフト3位で大洋入団。84年には56盗塁で盗塁王。90年には首位打者を争いリーグ2位の打率.323。94年に日本ハムへ移籍し、同年限りで現役引退。現在は野球解説者の傍ら、YouTuberとしても活躍中


 順位に変動なし! 投打のバランスで楽天が最有力です。補強も好材料。ただ120試合制に短縮されて監督の負担が大きくなりますから、そこで監督1年目の三木監督がどのような采配をとるかですね。チームとしても経験値が少なく移籍組も多いので、一体感にもやや不安があります。ソフトバンクは故障者が多いですが、開幕が遅れたことで間に合う選手も出てきた。選手層も厚いですし、短期決戦はもともと強いですから。楽天とV争いになるはずです。投手陣がそろうオリックスは浮上の可能性がありますが、やはり打線に柔軟性がない。西武は秋山(現レッズ)の穴が大きく得点力減は避けられず、ロッテはプラス材料に乏しい。日本ハムはセンターラインが不安定。清宮が覚醒すれば違いますけどね。

3月から予想変更なし!
1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 西武
4位 ロッテ
5位 オリックス
6位 日本ハム

達川光男「春先の寒さがない楽天が有利」


達川光男/たつかわ・みつお●1978年ドラフト4位で広島入団。頭脳派捕手として、80年代広島の投手王国を支えた。92年限りで引退。引退後は広島監督を務めたほか、阪神、中日、ソフトバンクでコーチを歴任


 開幕の遅れは、順位にはそこまで影響はないと思いますが、やはり関東と北海道のチームは、やや調整が・・・

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