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2020シーズン大展望

【セ・リーグ編】開幕延期の影響は?解説者2020シーズンやり直し順位予想 広島と巨人の優位は変わらず!

 

パ・リーグ編に続き、今度はセ・リーグの順位予想だ。3月23日号では広島が一番気で巨人が対抗という図式になったが、今回果たして!?

昨季は巨人が5年ぶりのセ・リーグ王者に輝いた。変則的なシーズンとなる今季の栄冠の行方は?


予想順位の平均ではGがCを逆転。Tが前回より浮上


 解説者12氏とも、1位予想は変更なし。広島が4氏でトップ、巨人が3氏で続き、DeNA阪神が2氏、中日が1氏、ヤクルトはゼロという状況は変わらなかった。

 1位に推す解説者が最も多かったのは広島。ただ実は各氏の予想順位を詳しく見ると、必ずしも安定した本命とは見られていないことも分かる。12氏の予想順位の平均を見ると、広島は2.58で、2.0の巨人のほうが上に来るのだ。巨人は、前回(3月23日号)4位にしていた達川光男氏が3位に予想順位を上げたことにより、Bクラス予想はゼロに。広島はBクラス予想も3人いた。

 以下、予想順位の平均では、阪神が3.17、DeNAが3.58、中日が4.0、ヤクルトが5.67と続く。

 前回との比較では、巨人と広島は順位を変えた人もいたが平均は変化なし。もっとも変化があったのは3.33から3.17となった阪神。過密日程になることから、投手陣の安定度を買われたということか。

解説者の1位予想


■6月22日号 1位予想(3月23日号から変更なし)
【広島】
駒田徳広斉藤和巳、達川光男、伊原春樹
【巨人】
斎藤雅樹野村弘樹藤井康雄
【DeNA】
高木豊真中満
【阪神】
井端弘和藪恵壹
【中日】
里崎智也

井端弘和「延期影響少ない。外国人次第でT」


井端弘和/いばた・ひろかず●1998年ドラフト5位で中日入団。6年連続、7度のゴールデン・グラブ賞受賞を誇る遊撃手[内野手]。遊撃での通算守備率は.991を誇る。14年に巨人へ移籍し、15年限りで引退。16〜18年は巨人コーチ。現在は侍ジャパンコーチ


 3月の予想と変わりはありません。3カ月の延期も、ケガや復帰で5人以上変わらなければ影響はないでしょう。新外国人次第ではありますが、阪神が投打に充実しています。特に投手力は先発、リリーフともに良いので、優勝候補に挙げます。追うのは巨人、中日、広島。巨人はセNo.1の得点力を誇った打線に、一番に吉川尚が復帰します。投手でも戸郷が良く、完全復活の菅野と合わせて山口の穴は埋まります。中日は打線はいいですが、投手陣が未知数で、上位も下位もあり得ます。広島は新人・森下の存在が大きく、優勝争いにも絡んできそう。筒香(現レイズ)が抜けたDeNA、バレンティンが抜けたヤクルトは新助っ人次第ですが、パに比べてセは、新戦力のデキが順位に影響を及ぼしそうです。

3月から予想変更なし!
1位 阪神
2位 巨人
3位 中日
4位 広島
5位 DeNA
6位 ヤクルト

斎藤雅樹「不安要素の消えたGがVに近づく」


斎藤雅樹/さいとう・まさき●1983年ドラフト1位で巨人入団。89年、90年は20勝を挙げて最多勝。沢村賞にも3度輝くなど絶対的エースとして君臨。2001年限りで現役引退。02年から03年と06年から19年まで巨人で投手コーチなどを務めた


 開幕が伸びたことで巨人の優勝がより近づいた気がします。3カ月前は直前のオープン戦も最下位でしたし、ケガ人もいた。その不安要素がこの期間でなくなり、なおかつ自粛期間中もほかのチームに比べてコンスタントに動けていたのも大きい。中には活動自体もできないところもありましたからね。巨人に続くのはDeNA。前回の予想では3位にしましたが、広島のブルペン陣の調子がフランスアをはじめ、いまだに上がってこないのが気になります。そういう観点ではDeNAは投打ともにコマがそろっていますし、ケガの影響で調整が遅れていたソトが最初からいるのも大きい。勢いに乗れば巨人と優勝争いに絡む力は十分にあると思います。Bクラス3チームは決め手に欠き、厳しい戦いになると予想します。

1位 巨人
2位 DeNA(3月は3位予想)
3位 広島(3月は2位予想)
4位 阪神
5位 中日
6位 ヤクルト

真中満「DBの投手層の厚みがモノいう」


真中満/まなか・みつる●1993年ドラフト3位でヤクルト入団。5年目の97年にレギュラー定着、2001年には打率.312で優勝に貢献。07年に代打で史上最多となる31安打。08年限りで現役引退。15年には監督としてリーグ優勝を遂げた


 70試合程度の日程短縮なら、力のある主力をそろえているチームが強いと思いますが、120試合は意外と長丁場。終盤は日程が詰まって連戦になるでしょうし、選手層がものをいうのは間違いない。前回と予想は変えず、投手がそろっているDeNAを1位とします。逆に巨人は投手陣に不安があります。打線でカバーできるかがカギですね。3位はヤクルト。バレンティンが去りましたが、山田哲や村上、青木もいます。投手陣も高橋など若手が出てくれば面白い。奥川も非常に楽しみです。ヤクルトが上位に行くにはどうすればいいか? いやいや、3位は上位です(笑)。以降は難しいですが、阪神、広島、中日。阪神は投手が充実していますが、打線が未知数。広島、中日はリリーフがポイントでしょう。

3月から予想変更なし!
1位 DeNA
2位 巨人
3位 ヤクルト
4位 阪神
5位 広島
6位 中日

野村弘樹「菅野復調でG。DBは序盤次第」


野村弘樹/のむら・ひろき●PL学園高では立浪和義[元中日]らと甲子園春夏連覇を達成し、1988年ドラフト3位で大洋[現DeNA]に入団。以後、大洋・横浜で左腕エースとして活躍、98年には日本一への原動力に。2002年限りで引退


 開幕前の練習試合を1試合終わった時点(6月2日)での予想は、正直難しい。セ・リーグはどこの球団も“来そう”な感じがするんですよね(苦笑)。なので、順位は前回と同じとしました。再開した練習試合の初戦に投げた巨人・菅野は、昨年より状態は上がっていたように感じました。山口(現ブルージェイズ)がいなくなったとはいえ、菅野が本来の状態であれば巨人が変わらず優勝の本命だと思います。120試合は短期決戦ではない、との声もありますが、私は開幕ダッシュが重要になると考えています。昨年ホームでの勝率がリーグ1位だったDeNAが開幕から9試合をハマスタでやれるのは大きい。30試合目までに流れをつくることができれば、巨人、広島の上に行くことも十分に考えられます。

3月から予想変更なし!
1位 巨人
2位 広島
3位 DeNA
4位 中日
5位 阪神
6位 ヤクルト

達川光男「屋外が本拠地のチームが有利に」


達川光男/たつかわ・みつお●1978年ドラフト4位で広島入団。頭脳派捕手として、80年代広島の投手王国を支えた。92年限りで引退。引退後は広島監督を務めたほか、阪神、中日、ソフトバンクでコーチを歴任


 前回の予想では、オープン戦でのオースティンの印象が強烈だったこともあって、DeNAを3位にしましたが、期間が空いて一から仕切り直しになり、相手に研究されるとどうなのかなと思い、予想順位を少し下げました。東が手術をしたというマイナスも大きいと思います。広島の優勝、2位の阪神は変わらずでいきます。細かいことかもしれませんが、日程を流したくない今季は、少々悪いコンディションでもゲームを決行するケースが増えるでしょう。そういうとき、慣れないコンディションへの対応は屋外球場を本拠地にするチームの選手ほうが長けているはず。広島や阪神は関東での連戦が続くと不利との声もありますが、関東のチームだって、その間、あまり出歩けないのは同じですからね。

1位 広島
2位 阪神
3位 巨人(3月は4位予想)
4位 DeNA(3月は3位予想)
5位 ヤクルト
6位 中日

藪恵壹「入れ替えあってもTの投手力は盤石」


藪恵壹/やぶ・けいいち●1994年ドラフト1位で阪神に入団。1年目に9勝を挙げ新人王。2005年にアスレチックスに移籍。10年に楽天へ移籍。その後現役を退いた。11年から3年間阪神のコーチを務めた


 阪神の戦力は、先発陣も頭数がそろい、中継ぎ・抑えは層も厚く今季も盤石です。高橋と藤浪の二軍降格はありましたが、春先に投げていなかったガルシアが戻ってきました。また先発のガンケルは面白い存在になりそうですし、リリーバーのエドワーズも素晴らしいので、阪神の投手力は強いです。前回4位にした広島を2位にしたのは、やはり総合力があります。懸念は佐々岡新監督の監督としての経験のなさくらいです。前回2位にした巨人は3位。これは阪神が優勝した1985年、2003年で巨人が3位だからという理由です。DeNAは阪神戦が鬼門で、ここをどう乗り切るか。中日は世代交代が今年も続き、6位のヤクルトは不気味ですが、高津新監督の経験のなさが出ると思います。

1位 阪神
2位 広島(3月は4位予想)
3位 巨人(3月は2位予想)
4位 DeNA(3月は3位予想)
5位 中日
6位 ヤクルト

里崎智也「変える根拠なし。ハマれば期待のD」


里崎智也/さとざき・ともや●1999年ドラフト2位でロッテ入団。2年目の2000年に一軍出場を果たすと、05年の日本一、06年のWBC優勝に貢献。10年にもリーグ3位からの下克上日本一をけん引した。14年に現役引退


 ハマれば一気に頂点に駆け上がるのではという期待感があるのが中日。投打とも若手の・・・

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