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勝利を支えた栄光のG戦士たちインタビュー

巨人OB・堀内恒夫(1966〜83年在籍)インタビュー V9を支えた絶対的エース 「6000勝というのは一人ひとりの積み重ね。それだけ巨人には歴史があるということ」

 

1965年秋に行われた第1回ドラフト会議で1位入団した右腕は、奔放な言動と相手を見下ろすかのような強気のピッチングスタイルで、間もなくジャイアンツ投手陣をけん引する。日本シリーズ通算11勝と大舞台での強さもさることながら、シーズン通算203勝は球団3位。V9時代の常勝巨人軍を支えた絶対的なエースである。
取材・構成=池田哲雄 写真=BBM


203勝、率にして3.4%


 2020年のプロ野球は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、当初の予定よりも約3カ月遅れた6月19日に開幕した。

 巨人のオープニングゲームは、東京ドームで行われた阪神戦だった。その記念すべき伝統の一戦は、奇しくも巨人が、球団創設87年目(86周年)にして、通算6000勝を賭けた戦いとなった。

 開幕投手に菅野智之を立てた巨人は、この節目の一戦に3対2で勝利し、日本球界最速の6000勝を達成した。

 現役時代通算203勝(139敗)を挙げたV9時代のエース・堀内恒夫は、前人未踏の巨人6000勝を自らの栄光の軌跡と重ね合わせて語った。

「日本のプロ野球界で、初めての6000勝でしょ。6000勝といっても、記録を見ると、いろんな人が絡んでいる。ピッチャーなら、わずか1勝から、200何勝の人まで。記録を紐(ひも)解けば、俺の仲間もたくさんいる。こうやって眺めて見ると、6000勝というのはやはり一人ひとりの積み重ねだと思う。それだけ巨人には歴史があるということ。俺は6000勝の中で203勝。率にして、3.4%。貢献度は米粒みたいなものかもしれない。でも、巨人の歴史に堀内恒夫の名前を残しているから、自慢してもいいだろうね。昔の1勝も、今の1勝も価値は同じ。これからも、われわれが先輩たちから伝統を引き継いだように後輩たちにも、巨人魂を引き継いで頑張ってもらいたいと思う」

 巨人6000勝の中で、堀内は現役時代に2500勝と3000勝を懸けた節目の試合に先発投手として指名されている。

 巨人の通算2500勝は、堀内がプロ6年目の1971年7月29日、広島市民球場で行われた広島戦だった。堀内は5回6安打、3失点で、マウンドから降りて、期待を裏切る結果に終わった。

 5対5の同点で迎えた9回表、四番・長嶋茂雄の勝ち越し2ランで、8対5と勝利を収め、通算2500勝に到達した。勝利投手に輝いたのは、3番手で登板した山内新一だった。

「巨人は5対3とリードしていたんだけど、(監督の)川上さん(川上哲治)から6回に代えられてしまった。酷い使い方ばかりされていたよ(笑)。野手出身の監督は、長嶋さんも王(王貞治)さんも、そうだけど・・・

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