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ROOKIES INTERVIEW

ソフトバンク・津森宥紀インタビュー 気持ちいいほどの投げっぷり 「マウンドに上がるのは楽しい。いいピッチングができれば、さらに楽しい」

 

プロ初登板で史上初となる先頭打者満塁被弾。次登板では12球団ルーキー最速となるプロ初勝利。話題性抜群のサイドスロー右腕は、ピッチングでもインタビューでも“ナイスガイ”だ。持ち味の強気の投球で、次はどんな衝撃(インパクト)を見せてくれるだろうか。
取材・構成=菅原梨恵 写真=高塩隆、湯浅芳昭、小山真司

強力西武打線に真っ向勝負! 強い気持ちがプロ初勝利を呼び込んだ


本当の「いいっすね」


 ドラフト3位で入団。開幕一軍をつかみ、3戦目、6月21日のロッテ戦(PayPayドーム)で、プロ初登板を迎えた。場面は2回無死満塁。そこで、井上晴哉に満塁弾を浴びる“衝撃のデビュー”。プロ初登板での先頭打者満塁被弾は史上初で、これによって右腕の注目度は一気に増した。

──津森選手と言えば、記憶にも記録にも残るデビュー登板。危険球で退場した二保旭投手のあとを受けての緊急登板でしたが、いつ声が掛かったのですか。

津森 投げたボールが頭に当たった瞬間ですね。「キャッチボールして」と言われ、そこから作り始めました。

──予期せぬ形でのプロ初登板になりましたが。

津森 こういう形でマウンドに上がるのは、これまでなかったと思います。ブルペンではキャッチボール5球、捕手を座らせて5球ほど。急ピッチでマウンドに向かいました。甲斐(甲斐拓也)選手からは「思い切っていけ」と言われましたね。思い切っていった結果、(先頭の井上晴哉選手に)打たれました(苦笑)。

──井上選手との対戦ではストレートとスライダーの配球で、打たれた8球目はストレートでした。

津森 勝負にいった結果、甘く入ってしまいました。でもカウントもカウントだったんで(フルカウント)、思い切ってストライクゾーンに投げて打ち取れたらいいかなと思って。

──思い切りの良さは津森選手の魅力の一つです。

津森 自分でも、どんな状況でも強気で、思い切って投げていくのが、持ち味だと思っています。

──あの場面、打たれた瞬間にホームランだと。

津森 ヤバッて思いましたね。

──しかし、その後は5回途中まで無失点。見事に立て直しました。

津森 自分の投球ができたかなとは思います。(満塁本塁打に対する)動揺はなくて、気持ちを切り替えていきました。次のバッター、次のバッターと回ってくるので、いつまでも引きずってはいられない。反省するのは投げ終わったあとです。

──プロ初登板での先頭打者に対する満塁被弾は史上初のこと。試合後にコメントした「自分が1人目? いいっすね」も印象的でした。

津森 言い過ぎたかなと思って、少し後悔しましたけどね(苦笑)。

──6月24日の西武戦(メットライフ)でも、強力打線のクリーンアップを相手に好投を見せます。

津森 甘いところに気をつけて、思い切って攻めていきました。西武打線はしっかり振ってきて、長打も多い。特に山川(山川穂高)さんからだったので、インコースとアウトコースの投げ分けをしっかり意識しました。

──初登板に続き、この試合でもイニングをまたいでの登板になりました。練習試合でもあまり経験していませんが。

津森 確かに。でも・・・

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