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新人時代の秘話を語る

斎藤雅樹(1983年・巨人ドラフト1位)が語る プロ1年目の記憶とルーキーの心得

 

平成の大エースとして一時代を築いた元巨人斎藤雅樹氏。華々しい活躍を見せた一方で、プロの厳しさにぶつかった下積み時代もあった。思い出深いプロ1年目の記憶とルーキーとしての心得を、自身の経験を基に語ってもらった。
取材・構成=松井進作、写真=BBM

まだフォームもオーバースローだったプロ1年目。藤田元司監督の助言でサイドハンドとなる


寮生活の思い出と芽生えた絆


 僕は1983年に高卒で巨人に入団したわけですけど、最初はいろいろなことで面食らいましたよね。先輩たちとの技術的なレベルの高さをはじめ、一番はフィジカルの差。走ることはもちろんのこと、腹筋、背筋などすべての面で力が足りませんでしたから。最初はルーキーだけで固まってトレーニングをするんですけど、そのうち本隊に投げ込まれたときは、しんどかったですね。まざまざとプロ選手のすごさを見せつけられたのが一番最初の印象です。

 あとは何と言っても寮生活。巨人の高卒は5年間入るんですけど、学生時代同様にルーキーの仕事も結構ありました。僕らのときは携帯電話なんてない時代でしたから、寮内の受付にある公衆電話の前での「電話番」という仕事がありました。練習から帰ってきて夕食を食べ、だいたい19時から門限の時間までルーキーたちが交代でやるんです。電話がかかってきたら館内アナウンスを使って「○○さん、お電話です」って。一番最初はちょっと緊張したのを覚えています(笑)。今では考えられないことですよね。

 ほかにも練習や試合に行くときには救急道具セットと、寮で作ってもらった全員分のお弁当を車に積むのも僕らの仕事でした。あと、地味に結構大変だったのが・・・

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