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「有終の美」を誓うエースと主将の矜持

中森俊介(明石商高・投手) 寡黙に取り組む151キロ右腕の将来性 「点を取られないのが良いピッチャー。打たれないムードを出したい」

 

今年の高校3年生世代で、最もキャリアを積んできた2人である。1年夏から甲子園の土を踏み、2年時は春夏連続で4強へ進出した。今春のセンバツにも4季連続での出場を決めていたが、大会は新型コロナウイルスの感染拡大により、中止。夏の全国大会(甲子園)と地方大会も中止となったが、モチベーションが下がることはない。センバツ代替試合の交流試合(8月16日、対桐生第一高)では、4度目の聖地に立つ。
取材・文=小中翔太 写真=石井愛子


 選手層の厚い明石商高で1年春からベンチ入りし、大阪桐蔭高との近畿大会初戦では先発を託された。入学時から大きな期待をかけられた本格派右腕は、同夏の甲子園に出場すると、2年夏まで3季連続で途切れることなく、全国舞台で躍動。甲子園で5勝を挙げており、最終学年はドラフト注目の選手の一人になった。

 世代屈指の存在となった中森俊介は「体も大きくなったと思いますし、球速も上がって、何より明石商業は大人数でやっているので、もまれながらメンタル面でも強くなったと思います」と、3年間の成長を実感する。最速151キロのストレートと、空振りの奪えるスライダーが大きな武器。カーブ、チェンジアップで緩急をつけ、大崩れしない制球力もある。同校春夏を通じて甲子園初出場(2016年春)の主将だった大西進太郎(現大体大4年)も「山崎(山崎伊織、東海大)に会ったときに聞いても『あの子、すごいわ。ストレートが違うわ』と言っているぐらいなので、迫力あります」と後輩を称える。山崎はドラフト上位指名候補にリストアップされた好投手。中森の能力の高さは、誰もが認めるところだ。

 その一方で・・・

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