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「有終の美」を誓うエースと主将の矜持

来田涼斗(明石商高・外野手) トリプルスリーを狙える圧巻の三拍子 「木製バットは集中力が増すので、ミート力も上がる」

 

今年の高校3年生世代で、最もキャリアを積んできた2人である。1年夏から甲子園の土を踏み、2年時は春夏連続で4強へ進出した。今春のセンバツにも4季連続での出場を決めていたが、大会は新型コロナウイルスの感染拡大により、中止。夏の全国大会(甲子園)と地方大会も中止となったが、モチベーションが下がることはない。センバツ代替試合の交流試合(8月16日、対桐生第一高)では、4度目の聖地に立つ。
取材・文=小中翔太 写真=石井愛子

手元までボールを呼び込んで強振。木製バットでも対応できるスイングであり、足と守備でも魅了していく


 投手にとって、最も手強い先頭打者に違いない。初球から積極的なフルスイングで威圧し、出塁を許せば50メートル走5秒9の俊足でバッテリーにプレッシャーをかける。1年時から一番を打ち、通算本塁打は30発超え。昨春、智弁和歌山高とのセンバツ準々決勝では、先頭打者弾&サヨナラ弾という長い甲子園の歴史の中でも史上初となる快挙を成し遂げた。さらにこの試合ではもう一つ、普通ではまず見られないようなシーンを生み出していた。

 3対3で迎えた6回、明石商高は八番から始まる攻撃で一死三塁のチャンスを作り、打順はトップへ。絶好の勝ち越し機に来田が打席に向かう。明石商高のスタイルからすれば球場にいた誰もが「いつスクイズを仕掛けるのか」と考えたに違いない。しかし・・・

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