プロ2年目、まだレギュラーを約束された立場ではない。だが、走塁を駆使した「三木野球」には欠かせぬピースとなっている。「スピード」という天性の武器に指揮官から学ぶ「知識」をプラスして、チームの課題であった走塁面を底上げする。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM ※成績は7月25日現在 走塁と走者の重要性
考える野球をチームに浸透させるべく、三木肇監督は選手たちに技術だけではなく、一つひとつのプレーに理由や裏付けを求めた。なぜ盗塁が必要なのか、走塁技術を磨くことがなぜチームのためになるのか。俊足を武器とする辰己涼介に新たな考え方が加わることで、盗塁の成功率が上がり、塁に出すと厄介な選手へと成長を遂げていった。やはり成長のカギは考える力、「野球脳」にあったようだ。 ──今季の
楽天は足を生かした攻撃が目立ちます。チームとしても昨年に比べて意識が変わっていると感じますか。
辰己 自分が塁にいるときには積極的に走りたいなとか、集中しとかなあかんなと考えるので、塁上での集中力というのは全員が持っていると思います。自分がベンチにいるときでも足を使える選手が塁に出ると、細かい野球をして点を取るんじゃないかなとワクワクするので、そういう点では見ていてもやっていても面白いなと感じています。
──攻撃の面で走塁の重要性をどのように考えていますか。
辰己 ランナーに動きが出てくると、バッテリーは頭を使って警戒しながらバッターと戦わなくてはいけない状況になり、相手は苦しくなります。僕はあまり知識もなかったですし、走塁がここまで大事だとは思っていなかったのですが、三木監督が走塁の重要性を口酸っぱく言ってくださっていたので、走塁の大事さというのはあらためて勉強になっていますね。
──昨季二軍で過ごしていた時期に、当時二軍監督だった三木監督から走塁についての話をされ、より興味を持つようになったそうですね。
辰己 走塁だけではなく野球脳と言いますか、野球をする上での頭脳についても教えていただきました。それらを今年1年でさらに養い、今後の野球人生につなげていきたいと思っています。
──今年は積極的に盗塁をしている印象があります。塁に出たときは常に次塁を狙う意識を持っているのですか。
辰己 状況にもよりますが、一塁ランナーのときにはバッテリーに警戒してもらうことを一番に考えていますね。そのためにも・・・
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