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勝利を呼ぶ盗塁・走塁術

走れば走るほど頂点に近付く!? チーム盗塁数と優勝の“本当の関係”とは?

 

「優勝チームに名捕手あり」とよく言われるが、果たしてチーム盗塁数と優勝に関係はあるのか。2リーグ制後から昨年までを調べてみた。
文=永山智浩 写真=BBM

過去10年では優勝20チーム中、10チームの盗塁数がリーグ1位。2011年のソフトバンクはその中でも最多の180盗塁をマークしていた


チーム事情によって変わる盗塁事情


 野球は打っていくだけではなかなか得点にはつながらないスポーツである。昨年のプロ野球全体の打率は.252。4打数で3度はアウトになる計算だ。本塁打にいたっては率.029。34打数で1本しか出現しない。やはり効率よく得点するには足を絡めた攻撃が有効的で、盗塁も重要な役割を果たす。通算盗塁数トップの福本豊がいた阪急は、一番・福本が四球で出塁し盗塁。二番打者がバントか右方向へのゴロを打って福本が三塁に進み、三番の加藤秀司(英司)が犠牲フライを打ち得点と、無安打で得点をできる「シナリオ」が語り継がれている。福本が一番打者として活躍した時期、阪急は7度のリーグ優勝を果たしたが、そのうち5度はチーム盗塁がリーグ1位だった。

 ここでチーム盗塁数と優勝の関係を検証してみた。

 2リーグになってから昨年まで両リーグで優勝したチームは延べ140チーム。そのうち48チームがリーグ1位の盗塁数で、リーグ2位の盗塁数は38チーム。優勝チームの61%がリーグ盗塁数2位以内という結果で、5位以下は17%の24チーム。結論から言えば盗塁数が多いチームほど優勝しているということになる。

 1950年代から60年代までは圧倒的に「投高打低」の時代で、20本台で本塁打王になることもしばしばあった。そういう状況もあり、各チームともに積極的に走った。チーム盗塁200以上は2リーグ制以降延べ18チームあるのだが、そのうち13チームは50年代だ。その中でも盗塁を優勝につなげたのは・・・

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