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中日・アリエル・マルティネス インタビュー 謙虚なカリビアン 「練習でも試合でも、自分はできるんだと信じ続けていたよ」

 

今シーズンの活躍をいったい誰が予想できただろう。開幕前は、まだ育成選手として背番号210を着けていた。キューバからやって来た来日3年目の大型捕手は、7月1日に支配下登録をされると大きな輝きを見せつける。外国人捕手として注目を浴び、力強いバッティングを披露。チームメートから「ワチョ(スペイン語で田舎者の意)」と呼ばれる男は、今やチームに欠かせぬ存在となった。
取材・構成=坂本匠 写真=小山真司、桜井ひとし、BBM

突然のブレークで一躍、注目の的となった。甘いマスクも人気の理由だ


訪れたチャンス


 190センチ95キロの巨体を揺らし、キューバからやって来たのは2018年3月のことだ。与えられた背番号は3ケタの210。育成選手として日本で2年を過ごしたのち、今年新たに育成契約を結んだ。昨年オフのキューバ・リーグで右ヒザを痛めたこともあり、春季キャンプはリハビリ組。だが、来日3年目を迎えたアリエル・マルティネスは漲(みなぎ)っていた。チャンスをもらえれば、今年こそ結果を出してみせる。開幕はファームで迎えたものの、ソイロ・アルモンテの故障からすぐにチャンスが巡ってきた。待望の支配下登録。喜びは大きかったが、それ以上に気合いが入った。

──支配下登録されてから1カ月が経ちました。見事な活躍ですね。

マルティネス(以下A.M) 今年の初めは右ヒザの故障もあったけれど、準備をしっかりと積んできた。そしてタイミングよく(支配下登録の)チャンスをもらえたことに感謝している。ここまでの成績については満足しているし、心身ともに充実しているのが大きな理由だと思う。いい状態でゲームに臨めているんだ。

──来日3年目にして初めて支配下登録されたときの気持ちを教えてください。

A.M 素直にうれしかった。(外国人枠の問題で)簡単になれるとは思っていなかったし、ずいぶんと苦労もしてきたからね。57番のユニフォームに袖を通したときは、ようやく支配下選手になれたんだという実感が湧いてきた。そのときはうれしい気持ちと緊張感が入り混じって複雑な気持ちにもなったよ。とにかく第一歩が踏み出せたという意味でうれしかった。

──ここまでの成績は出来過ぎですか?それともこれくらいはやれる自信はありましたか?

A.M 自分はできると信じていた。いつだってそうだ。その自信がこういう結果につながっていると思うし、今年はずっと体中に力が漲(みなぎ)っているのを感じていたから。

──あなたが2年間もファームにいたとは信じられません。どんな気持ちで過ごしていたのですか?

A.M 難しい状況だったことは確かだね。ただ、自分は・・・

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