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12球団2カ月検診

【編集部選定】序盤戦の主役たち!

 

ここからは編集部が選んだ序盤戦の投打MVPに加え、MIPを紹介しよう。
※選考ポイントは主要成績以外の評価ポイント
※成績は2020年6月19日〜2020年8月16日現在


【パ野手部門MVP】柳田悠岐 異次元の「バケモン」


ソフトバンク柳田悠岐 打率.377、15本塁打、38打点、4盗塁/写真=湯浅芳昭


選考POINT 殊勲安打17

 球団公式ツイッターも「バケモン」とつぶやくほど異次元な打撃を見せている。今季もスロースタートではあったが、7月からエンジン全開。外角、内角、お構いなしに打ちまくり、警戒したバッテリーが厳しいコースを突けば見極めて四球を選ぶ。月間MVPに輝いた6.7月の成績は、得点(38)、安打(47)、三塁打(4)、塁打(92)、打率(.379)、出塁率(.506)、長打率(.742)の7部門でリーグトップ。7月には日本タイ記録の月間32得点もマークした。8月も勢いはそのままだ。突き動かすのは「何とかしたい」という思い。チーム貢献度の高さは、リーグトップの殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転、サヨナラ打の合計)17という数字にも表れる。自身トリプルスリーを獲得する活躍を見せた2015年が138試合に出場して殊勲安打33(リーグトップ)。今季は大事な場面で、より力を発揮している。頼もしい主砲の一打が、これからもチームを勝利に、そして3年ぶりのリーグVへと導いていく。

【セ投手部門MVP】菅野智之 フォーム変更でさらに進化


巨人菅野智之 7勝0敗、防御率1.75/写真=小山真司


選考POINT 開幕7連勝

 6.7月度の月間MVP受賞も当然だった。3年連続6度目の開幕投手を務めた阪神戦(東京ドーム)で勝利を収めてから、7月28日まで、無傷の5連勝。その後、8月に入っても12日のヤクルト戦(同)まで2つ勝ち星を伸ばし、目下7連勝中(球団史上3人目、30年ぶり)。「周りのサポートのおかげ」としつつも、「8連勝、9連勝と伸ばしていきたい」と意欲を見せる。7勝はリーグ最多、防御率1.75もリーグ1位で、2完封(もちろんリーグトップ)もキラリと光る。今季は腰痛から完全復活。フォーム変更もハマり、強いエースが帰ってきた。

【パ投手部門MVP】涌井秀章 新天地で覚えた「新球」


楽天涌井秀章 7勝0敗、防御率2.38/写真=井田新輔


選考POINT 奪三振率7.53→9.17

 現在勝ち星、防御率ともリーグ1位。自身最長となる開幕7連勝(無敗)は言うまでもないが、今季は奪三振率が7.53から9.17と顕著にアップしている。その一因となっているのが新球「こやシン」、小山伸一郎コーチから教わったシンカーだ。ストレートと変わらぬ球速でストライクゾーン内で動くため、「それに狙いを絞ることはなかなかできないと思う」と涌井。54奪三振は同僚の則本昂大を上回り、山本由伸(オリックス)らに続く3位の数字。16年目の右腕が、新天地で生まれ変わった姿を見せている。

【セ野手部門MVP】佐野恵太 立場が人をつくり打撃も進化


DeNA佐野恵太 打率.342、9本塁打、34打点、0盗塁/写真=大賀章好


選考POINT 対左投手打率.347

 今季から四番に座り、堂々と首位打者に立つ25歳のハイアベレージの秘密が「左打者攻略」にある。昨年までは左投手に対して打率.258と苦しみ、相手先発が左腕の試合はスタメンを外されていた。「左を打たなければ、レギュラーになれない」と一念発起。キャンプから打撃のテーマに掲げて時間を割いてきた努力が、打率.371という結果となって表れている。メンタル面では、キャプテン就任で責任感が増したことも好影響を与えているように感じられる。まさに、立場が人をつくり、打撃まで進化させてしまった。

編集部選定 MIP


もっとも印象に残った男たちMIPは4人を選んだ。(その1人、平良拳太郎は別コラムのインタビューで紹介予定)。前年と比較した「覚醒POINT」も付記した。

巨人・岡本和真 首位チームの打者のMVP

【覚醒POINT】得点圏打率.257→.333/写真=小山真司


 最も得意とする8月に入り、打率を落としているが、序盤戦の働きは首位を快走するチームにとってMVP級だったと言える。得点圏打率は.333も、すでに勝利打点は7(昨季はシーズンで11)を数え、欲しいときに打点を挙げる頼れる四番打者に成長した。本塁打はリーグトップで打点は同2位。もともと打点に強いこだわりを持つタイプだったが、「四番の僕が打てば勝ち、打たなければ負ける」と自覚も強く、チームメートからの信頼を勝ち取っている。

ヤクルト・村上宗隆 すべてに進化する恐るべき20歳

【覚醒POINT】2ストライク後打率.149→.307/写真=井田新輔


 前年の.231から.331と打率を上昇させ、得点圏打率も.252から.415、打点43はリーグトップ。すべてにおいて進化する20歳の四番は追い込まれても焦りはない。「今年は、いろいろ考えながら打席に立てています。去年は、実は考える余裕なんてなかったので」。そう話した村上の打席からは、昨季とは違う、余裕と落ち着きが感じられる。2ストライク後の打率は、昨季の.149から.307と大きく飛躍。高津臣吾監督も「配球を読んだり、成長の跡が見られる」とうなずく。苦手だった対左投手の打率も、.198から.338と数字を上げた。あらゆる弱点を克服しながら、成長し続けている。

広島堂林翔太 鯉のプリンス11年目の覚醒

【覚醒POINT】対遅い球打率.000→.350/写真=宮原和也


 鯉のプリンスが11年目にして覚醒した。このところ、一時の勢いはなくなってきたが、7月24日まで打率4割台で、今も3割台をキープしている。結果球で算出すると、ストレートに5割近い打率を残しており、速球に強い傾向は以前と同様だが、今季目立つのは、120キロ台以下の「遅い球」への対応の改善だ。昨季はこの球速帯のボールをヒットにしたのは0だったが、今季は打率3割超。上体の突っ込みをなくした成果が、ここによく表れている。

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