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グラブを語れ

グラブづくり最前線2 手になじませる匠の技。グラブ型付け修理専門店「SECOND BASE」

 

硬いグラブを均一の柔らかさでしかも使いやすく、選手の手になじむグラブへと作り上げていく“匠”がいる。長くいい状態でグラブが保たれ、パフォーマンスを引き上げてくれる。1つひとつ丁寧にグラブに寄り添い最高の逸品に仕上げていくのが、川崎市宮前区にある「SECOND BASE」の桑野友之氏だ。
取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM

グラブの「型付け」をする桑野氏。腰からの力をグラブに伝え、入念に仕上げていく


自分の手に合うグラブへ


 スラッガー社の江頭重利氏の下で「湯もみ」の修行を行い、ミズノ社の「匠仕上げ」の「グラブフィッター」、「エキスパートリペアーマン」の認定を持つ桑野友之氏。この2社のみならず、あらゆるメーカーに足を運びグラブの「型付け」の技術を習得し「セカンドベース流」を編み出した。

 自分自身で型を付けるのは悪いことではないが、時間が経過するとグラブの革に強弱ができ、意図したモノと違う型が出来上がることがある。それを防ぎ、希望の型付けをすると同時にグラブの革全体の柔軟なバランスを整えることに「型付け」の意味があると考え、湯もみ、スチーム、ほぐし、もみ、叩(たたき)、あらゆる技術と経験を駆使。プレーヤーにとって最適なグラブを作り上げている。

「今年で16年ですが、経験を基に自らのやり方を見い出していく中で、さまざまなメーカーのグラブを手にしてきました。その中には湯もみに合わないグラブや、湯もみをしなくても型付けがしやすいグラブなど、それぞれに特長があります。これまでの経験と知識を生かし、お客様にとっていい状態と言える型付けをしています」

 選手に合ったグラブにするために、手間暇をかけていく。紐をほどき、ばらして型を作り、プレーヤーの手の大きさに合わせてグラブの中にある芯をカットして調整するなど、入念な下作業を行う。実はこの作業が一番重要なのだ。

 例えば・・・

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