週刊ベースボールONLINE

有力プレーヤーCLOSE UP 2020夏甲子園逸材球児

小林樹斗(智弁和歌山高・投手) 「評価」を決めた42球の灼熱マウンド 「どんな役割でも、勝利に導ける投手になりたい」

 

今年3月に中止となったセンバツ出場校が招待された「2020年甲子園高校野球交流試合」。各校1試合の真剣勝負で輝きを放った一人が152キロ右腕だった。3イニングをほぼ完全に封じ、ドラフト上位候補へ躍り出た。
取材・文=沢井史 写真=毛受亮介

尽誠学園高との甲子園交流試合。6回から救援し3イニングを無失点に抑えた。圧倒的な投球でネット裏で視察したNPBスカウトの評価を高めた


 高校最後となった1球は3年間の思いのすべて、渾身の力を込めた。

「追い込んでいたので、三振を取るイメージがあり、腕をしっかり振ることだけを考えました」

 8月17日、尽誠学園高との甲子園交流試合は1対8の6回から救援した。先頭打者の三番・福井駿に149キロのツーシームを二塁打にされたが、続く仲村光陽、宝来真己を内野フライに打ち取り、六番・村上侑希斗を外角のフォークで空振り三振に仕留め、ピンチを脱した。7回にも安打は許したが、速球はコンスタントに140キロ後半をマークし、相手打者を詰まらせた。そこから小林樹斗のボルテージはさらに上がり、最終回となった8回裏のマウンドは、外野フライで簡単に二死を奪うと、次打者の仲村にはストレートで追い込み、最後はこの日最速タイ151キロで空振り三振。これが、甲子園で投じた冒頭のラストボールだった。この日は139キロのチェンジアップ、140キロ前後のカットボールなどを駆使。試合はそのまま1対8で敗退を喫するも、2安打3奪三振無失点で強烈な印象を残した。

 和歌山県高野連が主催した今夏の独自大会で、小林の投球は胸を躍らせた・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング