ドラフト候補は全国舞台に立った有力選手ばかりとは限らない。高校生なら、夏の全国選手権が中止となり、センバツ出場校が夏に交流試合を行ったのみという今年においてはなおさら、甲子園に縁がなかった選手の中に逸材が埋もれている可能性は高い。ここからは、甲子園不出場組の中から、ドラフト候補に浮上してきた高校生3選手を紹介する。 取材・文=藤本泰祐 写真=牛島寿人 試合での実績は少ないものの、ストレートのキレとスピードは間違いなく一級品。磨けば光る素材であることは確かだ
甲子園の「プロ志望高校生合同練習会」で、大きく名を上げた投手のうちの一人だ。
8月30日に行われた、この合同練習会で、帝京大可児高・
加藤翼は快投を見せた。雨天で室内練習場に場所を移したため、スピードガンの計測こそなかったものの、そのストレートのキレは際立っていた。いきなり甲子園常連の大阪桐蔭高の主砲・
西野力矢との対戦となったが、「気持ちが高ぶったほうが球が行く」という加藤は、自慢のストレートをインハイとアウトローに次々投げ込んだ。空振り、ボール、ファウルの後、最後はインハイのボール球を振らせて三振。5人の打者にヒット性は1本のみ、四球もあったがこれも最後のボールはギリギリ外れただけ。この日の参加者の中でも出色の出来に、「自分の持ち味の回転数の多い真っすぐは出せた」と胸を張った。
その陰には、・・・
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