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有力プレーヤーCLOSE UP 社会人編

川瀬航作(日本製鉄広畑・投手) 「圧」で牛耳る変則投手の可能性 「悔しい思いをした分、責任感が芽生えて成長した」

 

社会人野球界は、東京ドーム出場をかけた都市対抗予選が各地区で始まっている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公式戦は同大会のみ。一投一打に集中力を研ぎ澄ます。
取材・文=小中翔太 写真=石井愛子

手先が器用であり、打者がタイミングを取りづらい腕の位置を、最大限に生かしている。先発、リリーフ、何でも喜んで受け入れるつもりだ


 球界全体を見渡しても、球威で押せる、希少価値の高い変則右腕だ。そのルーツは、高校時代にあった。

 米子松蔭高には内野手として入学したが、当時の監督だった藤堂将行氏の勧めで投手に転向。中学時代も2番手としてマウンドに上がることはあったが、このときから本職となった。藤堂監督は大学時代に日本拳法をしていた異色の経歴の持ち主で指導にもその特色が現れた。筋肉の柔軟性を重視し基本的にウエート・トレーニングは行わない。体の使い方を学んでプロの動作を解析し、そこで得た知識を指導に生かした。川瀬も藤堂監督の指導でアンダースローに近いフォームを修得。このときに教わったツーシームをアレンジし、さらに磨いたものを現在のスプリットとして使っている。サイド気味の腕の位置から、どのようにして落ちる球を繰り出すのか──。言葉にすると「リリースの瞬間に、手首を返して落とす」とのことだが、投げ方を伝えても誰もマネはできない。

 京都学園大では1年春からリーグ戦のマウンドに立ち・・・

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