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史上最強の監督は誰だ?

現指揮官の監督力CHECK 巨人・原辰徳

 

特集第3章は現在の指揮官たちの采配がテーマ。タイプ、構想の実現力をチェックするとともに、来季、さらにその先を占っていこう。
※記録、情報は10月11日現在。総合力は5点満点

[2002-03、06-15、19-]


球団最多勝を更新する21世紀最強の名将


総合力=5
監督タイプ=非常識な常識?型

 3たびの就任となった2019年に、5年間遠ざかっていたタイトルを即取り戻すのだから、その手腕に疑いの余地はない。日本シリーズではソフトバンクに4連敗を喫したものの、高卒1年目の右腕・戸郷翔征ら若手を積極的に起用するなど、勝利を目指しつつ、最高峰の舞台を大胆にも将来に向けた投資に充てた。その戸郷が今季はエース・菅野智之に次ぐ勝ち星を挙げて新人王を争いつつ、連覇への原動力となっているのは、計算の内ということだろう。

 06年から15年までの第2期原体制を知る選手たちは、昨季の再就任時に「のびのび野球」を標榜した原監督の笑顔に、逆に緊張を走らせたが、一方で「怖い原監督」を知らない若手は委縮せずにプレー。これは以前のように直接選手を叱るのではなく、担当コーチを厳しく指導するスタイルの変更があったからだ。とはいえ、選手交代、昇降格に指揮官のメッセージは込められており、「厳しさ」を身をもって知ることになるのだが、以前より強調していた実力至上主義はより鮮明になったといっていい。昨季不振で崖っぷちに立った中島宏之が打撃好調なら積極起用し、陽岱鋼のようにFA選手であっても不振なら迷うことなく二軍へ。陽の代役が育成出身で今季デビューしたばかりの松原聖弥なのだから、このコントラストがおもしろい。

 点差が開いた敗色濃厚な試合で、ブルペン陣を休ませるために野手の増田大輝を登板させ、試合中も投手交代に、代打策にと積極的に動く。奇をてらっているわけではなく、それらにはすべて根拠があり、だからこそ、V9監督の川上哲治氏が持っていた球団通算監督勝利数を上回る、球団1位の1084勝(10月11日位時点)を積み上げることに成功した。

2021年はどうなる?→【留任】次は後継者育成も役割に


 3年契約の最終年を迎える。復帰1年目で5年ぶりのV奪回を成し遂げ、2年目の今季は連覇目前、ターゲットは2012年以来の日本一のみだ。最終年は自身が長嶋茂雄(終身名誉)監督からヘッドコーチとして帝王学を学び、禅譲を受けたように、阿部慎之助二軍監督を側近として一軍に引き上げることも予想されている。指揮官自身が認めているように、チームタイトルとともに、前回退任時は叶わなかった後継指導者の育成も大事な役割だ。

編集部が選ぶ近未来監督候補・阿部慎之助


巨人二軍監督/41歳


勝利に徹する「昭和の野球人」

 引退、即二軍監督に就任し、元木大介ヘッドコーチが虫垂炎で離脱した際には、ヘッド代行とされたところからも、次代の監督は既定路線と思われる。自らを「昭和の野球人」と称する阿部慎之助監督の指導は厳しく、“鬼”と恐れられることも。今季、一軍に昇格した若手がそろって活躍しているのも、彼らが骨太に育っている証だ。「伝統の巨人軍。その伝統の意味とは?」の問に、「勝つこと」と即答した阿部監督ならば原辰徳監督の後を継ぐ資格・資質が十分にある。

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