横浜・DeNAでは2010年入団の筒香嘉智以来となる高卒野手の1位指名で今シーズン、入団した。地元・神奈川の高校出身ということもあり、球団関係者とファンの期待を一身に集める存在。グラウンドを所狭しと駆け巡る、ハマの一番星だ。 取材・構成=滝川和臣 写真=BBM 同世代からの刺激
高校時代にはU─18侍ジャパン代表で佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、石川昂弥(中日)ら2020年ドライチ入団たちと国際舞台で戦った。今季は、そんな仲間たちの様子を横目で見ながら、技術を磨くことに専念。シーズン最終盤に一軍デビューを飾り、現在はフェニックス・リーグで汗を流す。試合後にリモート取材に応じてくれた表情は疲労感をのぞかせながらも、話す口調からは1年目の充実感が伝わってきた。 ◎
──ドラフト1位指名から1年が過ぎました。この1年をどう振り返りますか。
森 あっという間でしたね。コロナ禍の影響もあってシーズンが開幕せずに不安な気持ちもありました。いろいろな経験をしなきゃいけない時期に、なかなかペースがつかめずに嫌だな、と思ったりもしました。でも、それを言ってたら何も始まらないのでポジティブにとらえるようにして、その期間でしっかり課題に向き合ってやろうと思いました。そういうこともあって、時間があっという間に過ぎていきました。
──ドラフトで指名され思い描いたプロの世界と、現在の自分。想像と違いますか。
森 入団するまではプロの世界が想像すらできなかったですね。高校まで、それほどプロ野球を熱心に見られていなかったので、本当に未知の世界。こうして1年目のシーズンを戦ってきて、ようやく少しプロの意識はついてきたかなと思います。
──同級生の高卒ドライチは、野手では中日・石川昂弥選手が一軍デビュー。投手ではヤクルト・奥川恭伸選手、
オリックス・
宮城大弥選手も一軍デビューしました。同級生を意識する余裕はなかったですか。
森 いや、意識しますね。(石川)昂弥だけではなく、黒川(
黒川史陽、
楽天2位)、武岡(
武岡龍世、ヤクルト6位)も一軍で試合に出て結果を残しているのを見て、悔しい気持ちはありました。僕も10月に一軍に上がって結果(初安打)を出せたのはよかったんですが、正直なところ、もう少し早く一軍でプレーできたらよかったなと思いました。
──一軍でやれる自信はあった?
森 そこまで自分の力を過信してはいないですし、一軍でプレーすることが簡単ではないことも分かっていました。でも周囲を見てしまうと、早く上がりたかったという気持ちですね。
──ファームでは、どんな課題を持ってプレーしていましたか。
森 打撃で真っすぐを一発でとらえることです。プロでは150キロを超えるストレートを弾き返せないと話にならないです。それを課題としてやってきました。
──スイングスピードを磨いたり、そういう部分ですか。
森 はい。あとは・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン