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[INSIDE REPORT]ホークスが見せた圧倒的強さの理由

「短期決戦の鬼」工藤公康の勝負タクトは乱れることなく 「相手に一つのスキも見せないことが大事」

 

やはりソフトバンクは強かった。セ・リーグ王者に対し、わずかな弱みも見せることなく、今年も日本一の座に立った。その強さの源流はどこにあるのだろうか。工藤公康監督の采配について、現場からのリポートをお届けする。
文=喜瀬雅則(スポーツライター) 写真=小山真司

適材適所の選手起用がハマった工藤監督。選手たちもその意図をはっきりとくみ取っていた


指揮官の意図をくんだ捕手の徹底したリード


 ポストシーズン16連勝。日本シリーズ12連勝。さらには2年連続となる無傷の4連勝で巨人をスイープ。パ・リーグ初、そして巨人のV9以来となる「4年連続日本一」の快挙へと導いた、それらすべての数字こそが、ソフトバンクの見せた圧倒的な強さを証明している。

 そして、今シリーズで見せた工藤公康監督の采配も「短期決戦の鬼」の異名にふさわしい、適材適所での選手起用が光った。同時に、指揮官の作戦の意図を瞬時に理解し、的確に動く選手たちの“適応力の高さ”も随所に見ることができた。

 象徴的なシーンは第2戦、6回裏の継投だった。先発・石川柊太は5回まで2安打2失点の好投で、この時点で5点のリードがあった。6回一死から巨人・坂本勇人岡本和真に連続ヒットを許し一、二塁のピンチを招いたが、球数はこの時点で84。その点差を考えてみても、決して慌てる場面ではないだろう。

 ところが、・・・

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