ロッテから楽天へ移籍して1年目に、自身4度目となる最多勝に輝いた。前年3勝7敗から遂げた驚異のV字回復。その要因はどこにあったのか。2020年シーズンの投球内容、さらには過去の投球データと比較しながら、真相を探ってみた。 マー君上回る球団最速
2020年シーズン、最後に勝利したのは10月14日のロッテ戦(ZOZOマリン)だった。この時点で11勝とパ・リーグの最多勝レースで単独トップに立っていたが、以降3試合で0勝1敗と勝ち星を伸ばすことはできず。その結果、
千賀滉大、
石川柊太(ともに
ソフトバンク)と並んで最多勝のタイトルを手にした。
西武(07年=17勝10敗、防御率2.79。09年=16勝6敗、防御率2.30)、ロッテ(15年=15勝9敗、防御率3.39)に続き楽天(20年=11勝4敗、防御率3.60)と、3球団での最多勝獲得は史上初の快挙となった。120試合制という異例のシーズンでの11勝は、過去3度と比較すると最少ながら十分な数字であり、勝率.733は同.727の09年を上回り、キャリアハイとなった。
6月24日の
日本ハム戦(楽天生命パーク)に先発し、7回4安打2失点で移籍後初登板初勝利を挙げ、これが快進撃への号砲となったわけだが、まず評価したいのは、チームで唯一、先発ローテーションの座を守り抜いたことだ。11月4日の
オリックス戦(京セラドーム)まで休むことなく、すべて水曜日の先発マウンドに立ち続けた。開幕時には
岸孝之が不在で、エースの
則本昂大はケガによる途中離脱があった。先発再転向した
松井裕樹は、不調により二軍再調整も。これだけで涌井の貢献度の高さが分かるというものだ。
記録ずくめの前半戦だった。7月15日の西武戦で開幕4戦4勝をマークしたが、これは・・・
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