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新時代に翔る 〜2021年の主役たち〜

ツインズ・前田健太×巨人・菅野智之 世界で戦うJAPANのエース対談 僕らはもっと、強くなる

 

ドレスコードはフーディー。リラックスしたムードの中、スペシャルな2人による対談が実現した。2020年はツインズに移籍し、日米通算150勝に到達、21年にMLB6年目を迎える前田健太と、3度目の最多勝を獲得し開幕13連勝のNPB記録を更新した菅野智之。ともにWBC準決勝のマウンドに立った、日本を代表する“エース”だ。菅野はこのオフ、ポスティングを申請。1月1日に渡米したが、対談は去就が決まる直前のもので、2人の話は多岐にわたり、熱を帯びていった。
取材・構成=坂本匠、椎屋博幸 写真=桜井ひとし(インタビュー)、Getty Images、BBM
※記録等は2021年1月3日現在



菅野が迷う理由と前田が勧めるワケ


 2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、NPBは120試合、MLBは60試合と大幅に日程が短縮されるなど、異例のシーズンとなった。そんな難しい年に、ツインズに移籍した前田健太、巨人のエース・菅野智之はそろって好パフォーマンスを披露。20年の振り返りからスタートした話は、注目の“去就”へと移っていった。

前田 日本もアメリカもそうだけど、いろいろな人の協力があって、シーズンを終えられたということは、野球界にとって素晴らしいことだと思う。選手もあらためて野球に対して真っすぐに向き合えた1年だったんじゃないかな。そういう意味では、“良いシーズン”だったと思う。自分自身を見つめ直す良い機会でもあったしね。

菅野 そうですね。前田さんはドジャースからツインズに移籍して、新たな環境という部分ではどうでしたか。

前田 チームが変わって、環境が変わって良かったなって正直に感じる。トレードは日本では少しネガティブなイメージがあるけど、自分を本当に必要としてくれるチームに移ることができたしね。ドジャースのときは多少の不満を抱えながら投げていたんだけど(笑)、ツインズは監督やコーチ、GMもみんな「お前が必要だ」「お前はもっと良いピッチャーのはずだ」と言ってくれてね。そう言われると気持ちも入るし、結果も出て、また自信を取り戻せたシーズンだったかな。ドジャースももちろん強くて良いチームではあったけどね。智之は開幕から13連勝でしょ? ちょっと考えられへんな。逆にプレッシャーよね? 負けられへんし。

菅野 自分としては投げていて「途切れちゃいそうだな」って試合がいくつかあったんですけど、リードを許していても、チームが逆転してくれる。うれしい半面、早い段階で止まってくれたほうが……と思うときもありました。ただ、10連勝を超えてからは、行けるところまで行ってみたいなと。ミーティングでも「記録を後押ししよう」というような話も出て、ありがたかったですし、誰にもできない経験ができたなと、すごい感謝しています。

前田 今は、悩んでいるみたいだね。

菅野 正直、かなり悩んでいます。

前田 数年前から話題にはなっていたし、智之がメジャーを目指すのは自然な流れ。今の時点では日本に残るのか、アメリカに来るのかははっきりしていないけど、もしアメリカに来て、対戦できる機会があるなら、うれしいし、楽しみ。どの道を選択しても、自分の決断だから、間違いはない。納得する結論、良い答えを見つけてほしいね。

菅野 自分の言葉で「メジャー」について明確に発信したのはポスティング申請後が初めてでした。これまでもインタビューとかでメジャーの話を振られることがありましたけど、あいまいな表現でお茶を濁していました。ただ・・・

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