週刊ベースボールONLINE

新時代に翔る 〜2021年の主役たち〜

レッズ・秋山翔吾×BCL/福島・岩村明憲監督 経験者が語り合うメジャーの“作法” すべてを超えるために。

 

昨年、海外FA権を行使して、埼玉西武からシンシナティ・レッズに移籍した秋山翔吾。コロナ禍もあり、7月開幕で60試合と異例の超短縮シーズンを過ごしたが、どのようなことが糧になったのか。また、すべてを超えるために何が必要か。かつてレイズでワールド・シリーズ進出経験もある岩村明憲氏が迫った。
取材・構成=小林光男 写真=大泉謙也(インタビュー)、Getty Images

岩村明憲[元レイズほか、現BCL/福島監督]


経験したことがまずは大きかった


 日本人選手として初めてレッズの一員となった秋山。新型コロナウイルス感染拡大が日本以上に深刻だったアメリカでの船出となったが、一切手を抜かず、すべての経験をプラスにとらえて前に進んでいった。

岩村 メジャー1年目でコロナ禍があり、大変だったね。

秋山 そもそもコロナ禍がなくても、簡単にはいかないと思っていました。ただ、“ゼロ”で終わらなくて良かったな、と。60試合だけでも、まずは経験したことは大きかったです。

岩村 昨年以上に大変なシーズンはない。もし今年が昨年と同じような状況でも1年、経験しているから大丈夫。

秋山 昨年は無観客で、僕はまだメジャーで観客が入った状況でプレーしたことがありません。それが自分にとって、どれくらい力になり、またプレッシャーとなるか。日本と違ってメジャーは鳴り物応援がありません。鳴り物にごまかされない、プレーに対してのリアクションがあると想像できますね。

岩村 ビジターでのブーイングが一つの目安になる。僕が最初に所属したレイズのア・リーグ東地区であればヤンキース、レッドソックスのファンが熱い。だから両チームの本拠地のヤンキー・スタジアム、フェンウェイ・パークでブーイングされるのが目標だった。

秋山 それはビジターのファンから嫌がられているということですからね。この選手にプレッシャーをかけないと応援するチームが不利になると思わせるのは、プレーヤーとして認められたということ。メジャーで、日本からポンッと入った選手が他球団のファンに認知されるのは簡単ではないですが、それは目指したいところです。

岩村 レッズが所属するナ・リーグで特に野球を知っているのはセントルイス(・カージナルス)のファン。シビアな目で野球を見ていて一番の野球ファンと言われている。そういった意味でセントルイスで試合をするときにブーイングされたら一人前かもしれない。

秋山 今年は無観客でホーム感、ビジター感がまったくなかったですからね。当然、観客が入れば、嫌な感じで守らないといけないのがビジターでしょう。

岩村 でもね・・・

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