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2021プロ・アマ球界大展望

2021大学野球展望 早慶の司令塔。意地と誇りの最終章 大阪桐蔭高出身の正捕手2人が強烈なライバル心

 

2020年秋、東京六大学リーグ戦は早慶戦でV争いが繰り広げられた。早大が1回戦で先勝。2回戦は早大は引き分け以上、慶大は勝利という条件で、早大が連勝して10季ぶりの優勝を遂げた。両校でマスクをかぶった2人は大阪桐蔭高出身の同級生。このほか、大学球界の注目選手を紹介する。
文=岡本朋祐 (学年表記は4月からの新学年)

早大の副将・岩本(右)と慶大の主将・福井(左)は大阪桐蔭高で同級生という間柄だ。ともに伝統校を背負う正捕手という扇のカナメであり、21年春も神宮での両雄の対決から目が離せない[写真=田中慎一郎]


一つのポジションを争ったプライドの激突


 2020年11月8日、明暗が分かれた。早大2回戦、慶大は2対1で最終回を迎えた。だが、二死走者なしから安打を許すと、逆転2ラン。3年春から慶大のマスクをかぶる福井章吾は悔し涙。2年秋から正捕手の岩本久重はエース・早川隆久(楽天)を好リードし、歓喜の涙を流した。

 話は2人の大阪桐蔭高時代にさかのぼる。17年春のセンバツを控えた2月の紅白戦。背番号2を着けるはずだった岩本は、左手有鈎(ゆうこう)骨を骨折した。強肩強打で注目を集めていた岩本に代わり、マスクをかぶったのは主将・福井だった。福井は中学まで捕手で、前年春のセンバツも捕手登録。同大会では背番号3を着けエース・徳山壮磨(早大)らを好リードで導き、5年ぶりの頂点をつかんだ。

 センバツ後、福井は大阪桐蔭高・西谷浩一監督に「岩本が戻ってくることは大きいことですが、自分としては捕手で勝負したい」と直訴すると、指揮官は・・・

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