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背番号物語2021

【特別寄稿】選手の背に宿る球団の理念、こだわり 背番号デザイン史

 

プロ野球草創期から選手の背には背番号があった。その歴史を振り返れば、数字の形、大きさには特徴があり、単なる識別ナンバーを超えた、ストーリーが隠れている。プロ野球意匠学研究家である綱島理友氏が奥深き世界を語る。
文=綱島理友 イラスト=イワヰマサタカ

大阪タイガースが採用したローマン体の背番号。写真は1958年の吉田義男


初の背番号は漢字


 現在のNPBにつながる第一号のチームが、初めて着けた背番号は漢字だった。1934年の12月26日に創設された大日本野球倶楽部、のちの読売巨人軍は、翌35年の2月からアメリカへ遠征した。このときグレーのビジター用ユニフォームが仕立てられ、背番号には漢字が採用された。球団のアドバイザーだったフランク・オドールの助言で、アメリカで観客を呼び込むための宣伝効果を狙ったものだった。現地で観客を集め試合を行い、遠征費用を稼ごうという大胆な計画だった。しかし残念ながら遠征費を賄うまでにはいかなかった。漢字の背番号は「あのプラスとマイナスはどういう意味だ?」と、多くの観客に質問されたという。やはり目立ってはいたようだ。

 36年にNPBの前身、日本職業野球連盟が発足。公式戦がスタートした。戦前の職業野球チームの背番号は、オーソドックスなブロック体が一般的だった。しかし・・・

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