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期待度MAX!2021年の108人

このままでは終われない!ケガからの復活を期す男たち

 

極限のパフォーマンスで勝負するプロ野球選手につきものとも言えるのが、ケガ(※故障と呼ばれるものも含む)だ。ただ、そのまま選手生活が終わってしまう者がいれば、バネとしてそれまで以上の結果を出す者もいる。2021年、ケガからの復帰を期す男たちを紹介しよう。

斎藤佑樹[日本ハム/投手・33歳]


崖っぷちのハンカチ王子


 140キロ、150キロの速球、多彩な変化球を投げ込むプロのピッチャーの肩、ヒジには大きな負担がかかり、まったく故障のない選手は皆無と言っていいだろう。かつては体にメスを入れることは、そのまま選手生命の終えんを意味したが、今は医学の進歩で、いわゆる“軟骨ネズミ”の除去だけでなく、損傷したヒジの腱を、ほかから移植するトミー・ジョン手術の成功例も飛躍的に増えている。

 それでも手術の成功イコール復活ではない。ヒジの手術を経験し、不死鳥のようによみがえった村田兆治氏(元ロッテ)が「“復帰”と“復活”は違う」と言っていたことがあった。厳しいリハビリを経て、より高いレベルに達しなければ、一度失った椅子を奪い返すことはできない。

田島慎二[中日/投手・32歳]、東克樹[DeNA/投手・26歳]


 今季、トミー・ジョン手術からの“復活”を目指す投手は、中日の田島慎二、DeNAの東克樹、広島高橋昂也オリックス黒木優太山崎颯一郎ヤクルト金久保優斗らだ。

 プロ8年間で主にリリーフとして385試合に登板し、鉄腕と言われた田島は昨年手術を受け、プロ初の登板なしに終わった。それでもキャンプでは力強いボールを投げ込んで復活をアピールした。

 2018年に11勝を挙げ、新人王となった“もぐもぐ王子”東は、昨年2月に受けた手術からの復帰を目指す。キャンプでは全力投球ではないものの、ブルペンに入り捕手を立たせたまま投球練習を行った。「状態は右肩あがり」(東)と一歩一歩、復帰の階段を上っている。

高橋昂也[広島/投手・23歳]、黒木優太[オリックス/投手・27歳]


 19年2月に手術を受けたのが、広島の高橋。そこから長い復活への道をたどってきた。昨年11月の宮崎フェニックス・リーグで好投し、今季の秘密兵器とも言える。利き腕に打球を受け、大事を取って三軍調整に回ったが、期待度は不変だ。

 オリックスの黒木は一昨年に手術を受け、昨年の育成契約を経て再び支配下に戻り、あらためて背番号54を着けた。キャンプでは紅白戦で登板し1回無失点と上々のスタート。「みんなが活躍してるのを指くわえて見てるのは嫌ですから」と語り、投げる喜びをマウンドで体現することを誓う。

 同じくオリックスで一昨年にメスを入れた山崎は順調な回復を見せ、190cmの長身から繰り出す直球は手術前から3キロアップの152キロを計測。落差の大きなカーブも武器に期待される大器が一軍デビューへ再始動した。

 3年前に手術を受けたヤクルトの金久保は、すでに昨季待望の一軍デビューを果たした。150キロ超のスピードボールが武器の21歳は、今春キャンプの一軍スタートを勝ち取り、先発ローテの一角を虎視眈々と狙う。

 ソフトバンク甲斐野央は19年のチーム最多シーズン65試合登板から一転、2年目の昨季は春季キャンプで痛めた右ヒジの状態が上がらず。一軍登板は・・・

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