昨年、2点差以内のゲームでは17勝22敗と苦戦した広島。今季はここ一番での1点を取るための走塁改革を掲げ、新たに就任した河田雄祐ヘッドコーチを指南役に、伝統の機動力野球の復活を推進していく。 文=前原淳 意識、理解、そして徹底
2年連続Bクラスからの浮上を目指す広島のカギは機動力にある。昨季はリーグ2位のチーム打率.262を残しながら、僅差の試合では勝負弱さを露呈。
佐々岡真司監督はキャンプ前から「昨年はあと1点、ここで1本が出なかったことが響いた。そこは徹底してやっていきたい」と機動力をテーマに掲げていた。指揮官の参謀として4年ぶりに広島に復帰した河田雄祐ヘッドコーチが機動力復権の指南役と期待される。
春季キャンプから河田ヘッドの存在感は際立っていた。初日から精力的に動き、2日目はウオーミングアップ前の円陣で選手たちに1つテーマを課した。「ベースランニングで、ベースを回るときの体の角度を意識してくれ。まだ2日目だからちょっと角度をつける意識でいい。初日は(体の)慣らしもあったかもしれないけど、徐々に上げていこう」。昨春のベースランニングはウオーミングアップの延長のように行われていた印象がある。だが、ベースランニングは走塁の意識改革の礎になる。ベースランニングでの指示は定期的に出され、そして求めるものも段階的に高くなっていった。
選手がなんとなく分かっていることでも、理解させるために細かく説明する。言葉で伝えることで意識を高め、実践させることで理解を深め、細かく言うことで徹底を生む。3連覇した広島だけでなく、
西武などでも浸透させてきた機動力は、一つひとつの意識の徹底から始まる。
実戦では・・・
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