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変化/進化を求めたチーム

楽天・新指揮官の戦術は?失敗恐れず「貫く」のみ「攻めたミスはいい。判断能力を、この1年で考えてやっていきたい」

 

石井一久GMが兼任監督に就任した楽天。補強を続けながらも昨季Bクラス低迷のチームはどう変わるのか。指導者経験ゼロの指揮官が実戦を通して見せ始めたカラー、目指す野球について探ってみた。
文=高橋宏磁(報知新聞社) 写真=榎本郁也、井沢雄一郎

現役引退後、初めてユニフォームを着た石井監督[右から3人目]。ベンチワークも徐々に板についてきた


キャプテンへの苦言


 昨シーズン、開幕前から、気になっていたことがあった。その一つが三木肇前監督の言葉遣いだった。実績のある選手について尋ねると、たいてい「僕なんかが言っていいのか、分かりませんけども」と前置きした上で話していた。確かに人柄はいい。だが監督としてはどうなのか。岸孝之則本昂大浅村栄斗らビッグネームぞろいのチームを引っ張っていけるのか。正直、不安だった。

 自分の意見を貫けないだろう、という不安は的中した。開幕前は基本的に四番を固定したいと語っていたが、終わってみれば四番には浅村、鈴木大地ら5選手が座った。先発に再転向したはずの松井裕樹は、終盤には抑えに戻っていた。コロナ禍でのシーズン。さまざまな事情があったのだろう。だが特に中盤戦以降の試合を振り返ると、理想より目の前の1勝を優先したようにも映った。

 三木前監督に代わって、今季からGM兼任で石井一久監督が指揮を執る。2月の春季キャンプから3月のオープン戦まで、わずか1カ月に過ぎないが、新監督を見ていると2人の名将を思い出す。故・野村克也監督と、故・星野仙一監督である。

 星野監督が楽天を指揮していたころ、印象的だったのが・・・

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