特集では12球団担当者がベスト1を選出した。しかし、球団の伝統を反映した最強の1着も帽子がなくては、ユニフォームとして成立しない。プロ野球意匠学研究家・綱島理友氏によるベスト1ユニフォームとセットとなる帽子の徹底解説で、特集を締めくくろう。 文=綱島理友 イラスト=イワヰマサタカ 読売ジャイアンツ
選ばれたのは1961年から74年までの14年間使用のユニフォーム。採用の年に
川上哲治が監督に就任し、65年から9年連続日本一のV9を達成した。ユニフォーム採用時に帽子のYGマークもマイナーチェンジ。YGマークは前任の
水原茂監督時代の54年に誕生したが、川上監督の1年目からGの下部が少し膨らんだ。しかし現在のYGマークと比較すると、逆にGがつぶれた感じに見える。これは93年の
長嶋茂雄監督2度目の就任時に、Gの上下がさらに膨らみ現在の形になったためだ。
阪神タイガース
ギザギザの輝流ラインが特徴の75年から78年にかけてのビジター用。このときの帽子は本体が黒でツバが黄色。阪神は72年から帽子のカラー化が始まった。天ボタンが白で空気穴は黄色、白一色だったHTマークのHを黄色にした黒い帽子が登場。そしてさらに74年からは、ツバも黄色のツートンカラーの帽子となる。輝流ラインのユニフォーム採用の1年前だ。輝流ラインは78年いっぱいで廃止されるが、黄色いツバの帽子はそのまま83年まで使われる。ただしホーム用は82年から縞帽子に変更。最後の2年間はビジター専用として使用された。
中日ドラゴンズ
ジャイアンツのV10を阻止してリーグ優勝した74年採用のユニフォーム。当時の新素材ダブルニットの特性を生かした鮮やかな色と大胆な裁断の太いラインが特徴。だが帽子はその前の69年、水原茂監督時代に採用した形が継続された。水原のお気に入り、ロサンゼルス・ドジャースのスタイルを参考にしたデザインで、色はブルー、天ボタン、空気穴、CDマークは白。ユニフォームはデザインを変えず・・・
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