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2021球場物語 12球団本拠地の今と昔

球場インタビュー 投手編・江本孟紀(野球評論家) 「広いから投げやすいわけではない。大切なのは調子と球場の雰囲気」

 

両リーグで活躍した江本氏は公式戦では22球場で投げた。得意な球場も苦手な球場も特になかったと言うが、勝敗以上に、その球場での風景、出来事が強く心に残っている。
取材・構成=牧野正 写真=BBM

甲子園球場で投げる江本氏。現役11年で最も多く登板した球場


思い出深いナゴヤ


 投げやすい球場とか投げにくい球場というのは特になかったですけど、私の場合は後ろ(捕手からバックネット)の距離が近いと投げやすかった。捕手が近くに見えるというか、ストライクゾーンの的が見やすくなるから。でもスピードが出ていると錯覚するからつい力が入り、球が浮きやすくなるのが欠点でしたね。だいたい後ろの距離がないのは狭い球場。逆に後ろの距離があると捕手が遠くに見えて投げづらい。これは私に限らず、投手はみんな似たようなものだと思いますよ。その日の調子もありますから、一概に投手は狭い球場が嫌で、広い球場が好きというわけではないんです。

 狭い球場と言ってすぐに浮かんでくるのは川崎球場、大阪球場、日生球場……いや当時はどこも狭かった。広いのは甲子園球場くらいでね。後ろが広いと暴投とかで走ってきた三塁走者は必ず生還できますから。甲子園は楽勝でホームインでした。そう言えば、後楽園球場のバックネットの下の部分は少しコンクリートの部分がありましたが、そこにパスボールのボールが当たって捕手にうまい具合に跳ね返って、三塁走者がアウトになったことがありました。もちろん偶然でしたけど、今はどの球場もラバーですから、もう二度と見られないプレーですね。

 私にとって思い出深いのはナゴヤ。東映時代の1年目、私は開幕一軍でしたが、少したってから二軍に落ちたんです。それで代役としてジュニアオールスターに急きょ出ることになって、その舞台がナゴヤだったんですが・・・

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