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FRESHMAN INTERVIEW

阪神・伊藤将司インタビュー 失投の確率を下げていく 「いろいろな球種を組み合わせ、コースを狙って打ち取っていく」

 

右腕を大きく天へと突き上げ、タメを作ってから、鋭い腕の振りで、多彩な球種で打ち取っていく。ボールの出所が見えにくく、さらに小さな変化をさせた球で打者をあざむく。まさに技巧派左腕ルーキーだ。ここまで3勝1敗と上々の滑り出し。チームが首位を走っているだけに、自分の投球フォームを信じながら、勝利に貢献できるピッチングを心掛けている。
取材・構成=椎屋博幸 写真=佐藤真一、BBM

右手を大きく天に突き上げてから、変幻自在にボールをコースへと投げ込み、打者を打ち取っていく


計算して投げられている


 打球は阪神ファンが陣取る東京ドームの左翼スタンドにライナーで飛び込んだ。5月15日の巨人戦。3対2とリードした5回二死一、三塁。巨人の新助っ人、J・スモークに対し3ボール2ストライクからの7球目。真ん中へカットボールを投げると、バットの芯でとらえられ、逆転の3ランを許した。ベンチに下がった伊藤将司は、悔しさを前面に出した。この1球で敗戦。プロ入り初黒星。いまだに悔しさが残るが、その理由とは──。

──現在阪神は首位です。チームの雰囲気はどうですか。

伊藤将司(以下伊藤将) 投手陣の調子が悪くて打たれた試合で、打撃陣が打ってくれたり、打撃陣が打てない試合では、投手陣が踏ん張ったりと、お互いに助けている感じがして、いい流れになっていると思います。チーム全体で勝っているな、と感じています。本当に今、いい状態できていますね。

──伊藤投手自身としては、首位攻防戦の5月15日の巨人戦(東京ドーム)では悔しい敗戦で、1球に泣きました。

伊藤将 巨人戦までの投球は、うまく行き過ぎていたな、と自分の中でも思っていました。1回くらいは、痛い目に合っていたほうがいいんじゃないかな、とも。でも、あの1球で負けたので、悔しかったです。

──プロの厳しさは早い段階で味わうのかな、と思ったりはしていましたか。

伊藤将 はい。もう少し早い段階でつまずくとは思っていました。ただ最初にいいスタート切れていましたので、そこからは自分の中では、順調にずっと行けたらいいなあ、と思いながらマウンドに立っていました。

──好調が続いていますが、どの球種が一番有効に使えている、と思いますか。

伊藤将 僕の中ではツーシームとカットボールはいい感じで投げられているのかな、と思っています。

──特にツーシームは低めによく集まっているように感じます。

伊藤将 はい。ツーシームはゴロアウトを狙っていく球種なので、低めにしっかり投げていきたい、という思いは強くあります。その辺りは計算して投げられていると思います。今は本当に思ったとおりに投げられている感じです。

──本当に調子が良いんですね。その中で痛い一発を打たれた、巨人打線をどう見ていますか。

伊藤将 巨人打線はすごいなとは思いましたが、それ以上に感じたことは・・・

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