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FRESHMAN INTERVIEW

広島・栗林良吏インタビュー 誰かのために投げる 「自分がゼロで抑えることよりチームの勝利。記録は意識することはありませんでした」

 

0点、0点、また0点。ついに交流戦スタートまでの期間を、相手に1点も与えず乗り切った。開幕から17試合連続無失点(5月24日現在)と2リーグ制後の新人記録を塗り替えた広島の新人クローザーに、その快進撃の理由を聞いた。
取材・文=藤本泰祐 写真=内田孝治、佐藤真一、毛受亮介

今、最も自信を持つ球種だというフォークを決め球に、最終回のマウンドに立ちはだかる。先発の経験や、多彩な球種も大きな武器だ


無失点記録より役割の完遂がうれしい


 いきなり、と言っていいだろう。ルーキーでありながら、開幕から与えられた役割は、チームの勝敗を背負い、最終回を締めくくるクローザーだった。掛かってくる重圧。それでも、大学、社会人を経てきた経験で、それを力に変える方法を、このルーキーは知っていた。

──開幕から無失点を続け、すごい活躍ですが、ご自身ではどうですか。

栗林 自分が0点に抑えているというのももちろんうれしいですけど、持ち場を与えられて、しっかり仕事ができていることに、よりうれしさを感じます。監督やコーチの方々に指名していただいた守護神をしっかりこなせてきているのは、うれしいなと思います。

──ここまでできると思っていましたか。

栗林 それはもう全然。リリーフをやるかどうかも分からなかったですし、9回を任されるとも思っていなかったので。今の状態は全然イメージしていませんでした。ホントにいい巡り合わせの中で、いい場所をもらって、いい結果が出ているのかなと思います。

──クローザーをやると聞いたのは開幕の直前ですか。

栗林 ハイ。言われたときには緊張感が増して、オープン戦でしたけど、試合前からゾクゾクして試合に入ったのを覚えています。今はそれはもうないですけど。

──クローザーはチームの勝敗を背負ってマウンドに上がることになりますが。

栗林 チームの勝利もそうですし、先発、リリーフの抑えてきた流れも背負って投げるので、ホントに責任感というか、重圧はすごく感じます。でもそこで重圧に押しつぶされていたのではどうしようもない。マウンドに行くまでの過程で、チームの皆やファンの皆さんに、背中を押して送り出してもらえることを力に変えて、今やっています。

──どういう考え方をしていけば、そういう気持ちに持っていけるのでしょう。

栗林 やっぱり野球をやる上で・・・

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