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昇竜の記憶 中日ドラゴンズ85年史

中日OB・鈴木孝政が語る。“先輩”星野仙一の記憶 「センさんは7つ怒ったら、あとで3つは上げてくれる。みんな、これにまいっちゃうんだよね」

 

ドラゴンズ史上に残る快速投手だ。若手時代は抑え、ベテランになってからは先発としてチームを支えた。星野仙一は現役時代の先輩であり、自らの現役生活に、引導を渡した監督でもあった。
取材・構成=井口英規 写真=BBM

81年の2ショット。星野はこれが引退の1年前


プロの厳しさを教えてくれた


 最初の浜松キャンプで、キャッチボールの相手をしてくれたのが星野さんなんだ。夜もよく食事に連れていってくれた。本人に聞いたことはないけど、(明大監督の)島岡(島岡吉郎)さんに「面倒見てやれ」と言われていたんじゃないかな(星野は明大出身)。俺は明大から内定をもらっていて、プロに行かなかったらお世話になることになっていたからね。

 当時から星野さんには近寄り難い雰囲気があった。特にユニフォームを着ていたときね。でも、そういう厳しい人の近くにいたことで、プロ野球を早く知ることができたと思っている。覚えているのは、「一番の敵は味方だ。違うユニフォームを着ているヤツじゃない」という言葉。極端だけど確かにそうだった。星野さんは、そういう、乱暴だけど分かりやすい表現をしてくれる人だった。

 少し俺自身の話もしておこうか。

 1年目・・・

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